【夢100・ダグラス主小説本】サンプル- prism wall -
今年の夏も、異常気象だの猛暑だのと世間は騒がしい。アンキュラも例外ではなかった。
うだるような暑さにも拘わらず砂浜には人だかりができ、海には海月が浮かぶかのようにたくさんの人が海水浴を楽しんでいる。
都合よく二人の休暇が重なったため、ダグラスは姫をアンキュラに招待したが彼は敢えて海を選ばなかった。
国民に紛れて水着姿の彼女を目の保養に、海水浴を楽しむのもまた一興。
しかし彼女だけに見せたい、とっておきの場所があった。
その場所とは一見すればただの洞窟、だが中に入れば宝石のように輝く鉱石が、天井から地面まで隙間なく埋め込まれた不思議な洞窟だった。
美しいものを手にいれたいと思うのは海賊の性分であり、見たことがないものとあっては益々手にしたくなるというものだ。
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