パーフェクション プラッシー 頭上を走る小ぶりながらも本格的なジェットコースター。それがレールを駆け抜けるのと同時に反響する金属の摩擦音と叫び声を聞きながら、凛は一刻も早くこの空間から抜け出したいと着ている学生服の詰襟を指で軽く緩めた。
久方ぶりに袖を通した学ランは着られなくはないが、自身の身体にピッタリとフィットするボディスーツか楽なスウェットしか着ていなかったのもあって、窮屈さの方が先に来る。
来たくもなかった場所と着るつもりもなかった服。誰にも聞こえない舌打ちを洩らした凛は、ベンチに座ったまま無遠慮に開いた足の片方を軽く揺すってどうしようもない怒りを床へとぶつけた。
仕事ではないが、ひとりで勝手に帰宅する事は許されない。何故なら"青い監獄"における絵心の指示は絶対だからだ。
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