サンポワンライ 穹サン 期待のハグの日「穹乗客! 欲しいと言っておったジュースを仕入れておいたぞ」
「え、本当?」
ベロブルグでの依頼が終わり、サンポと連れ立って列車に帰ってきた穹へパムがそう声をかける。途端に穹は嬉しそうに顔を明るくして、得意げにする車掌の元へ駆け寄った。
「全く難しいオーダーじゃったぞ! 俺に感謝して飲むんじゃ、わかったな!」
「うん! ありがとう、パム!」
「さぁ、冷蔵庫にしまっておいたから、依頼終わりのご褒美に……うわわっ!」
パムが慌てた声を上げるので、武器の手入れをしていたサンポはさっと振り返る。すると、穹がパムを抱き上げて、ご機嫌で頬擦りまでしているではないか。
「や、やめろ穹! 俺は子どもじゃないと何度言ったらわかるんじゃ!」
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