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    さわら

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    さわら

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    これの後日談。(当SSはpixivにも追加しました)
    カカイル(カカシ出て来ない)

    いたずらっ子たちへの依頼*

    「ナルト! このあとちょっと残ってくれ」
     授業が終わったあと、後片付けをしていたナルトにイルカが声を掛けた。ナルトは最近やっと中忍になったばかりだが、以前から同期たちと一緒にアカデミーの授業を手伝っていた。今日もイルカのクラスを手伝ったところだ。
     ナルトは機嫌よく返事をしながら、このあと一楽に行く話かなあと勝手に思っていた。せっかくイルカの授業を手伝ったのだから、たまには一緒に一楽へ行きたい。
     ナルトが授業で使った教材を片付けながらにやにやしていると、イルカの声が聞こえてきた。
    「おーい、おまえらもちょっと来い」
     イルカが声を掛けたのは、教室の窓際でおしゃべりをしていた二人の生徒だった。「ええー」「はーい」と答える声を聞いて、ナルトはぎくりとした。彼らはいつもナルトと木ノ葉丸が連れ回しているアカデミー生だ。つまり、いつも一緒によろしくないことをしているイタズラ仲間だった。
     まさか何かのイタズラがバレて怒られるのでは、とナルトは咄嗟に考えた。なるべく動揺を抑えて後輩二人に目配せする。
    「イルカ先生、オレたちになんの用だってばよ」
     ナルトが訊ねると、イルカはニコニコしながら答えた。
    「まあ、待て。木ノ葉丸も呼んでるから。話は揃ってからな」
     木ノ葉丸も来ると聞いて、イタズラっ子三人は一斉に青くなった。もうこれは怒られるしか道が無い。アカデミー生二人は俯いてしまっている。
     ナルトがそわそわしながら待っていると、教室の扉が開いて木ノ葉丸が姿を見せた。
    「イルカ先生! 急に呼び出してどうしたんだ、コレ……」
     木ノ葉丸の声は最初こそ元気だったが、集まっている面子を見て声がどこかへ消えていった。即座に悟ったらしく、『あっ、これヤバイやつだ』と顔に書いてある。
     イルカは自分の前に四人を並べて、じっくりと教え子たちを見回した。他の生徒はさっさと帰るか訓練場へ行ってしまい、教室にはもう誰も残っていなかった。
    「……べつに説教じゃないから安心しろ。キミらに頼みたいことがあるんだ」
     イルカがそう言ったので、四人は顔を見合わせた。それぞれ安堵してイルカに向き直る。
    「頼みたいこと?」
     イルカは答える前に一つ咳払いをした。急に頬が少し赤くなったようだった。
    「……今度の十五日に、火影様が家に帰るように仕向けてほしい」
     イルカはそう言ってから、恥ずかしそうに口を噤んだ。
     二人の関係を大体知っているナルトは「ははあ」と思い、なんとなく察している木ノ葉丸は「はぁーん」と思い、よく分かっていないアカデミー生二人はきょとんとしていた。イルカの頼みは、今年の五月に既に実行済みのイタズラだった。
    「なーんだ、そーんなこと!」
     報酬として一楽のラーメンをたらふく奢って貰おうと思っていたナルトは、頭の後ろで両腕を組んでニシシと笑った。
     すると、すかさずイルカが条件を付け加えた。
    「ただし、物は壊さないこと。人も傷つけないこと。あと俺が怒らなきゃならないようなことはするな」
     それを聞いた四人は、うえぇ~とげんなりした顔をした。
    「イルカ先生~。そんなのムリだってばよ!」
     特に最後のやつ、とナルトは文句を言った。そんなの、何やったって怒られるに決まっている。
    「つーかさ、イルカ先生が今日は帰って来て♡って言えばカカシ先生帰ってくるんじゃねーの?」
    「言えないから頼んでるんだろ。あの人、自分の誕生日には興味ないし……」
     ぼそぼそとイルカが答える。ナルトは思いっきり溜め息をついた。
    「わーかったってばよ! オレたちがカカシ先生を家に帰すから!」
     報酬に一楽のラーメン替え玉自由の約束を取り付けて、取引成立となった。イルカは少しほっとした表情をすると、仕事があるからと行ってしまった。随分とこのイタズラっ子たちを信頼しているらしい。
    「どーすんの、ナルトのにーちゃん」
    「ん~。なんとかなる、なんとかなる」
     ナルトは呑気に頭の後ろで両腕を組んだまま考えを巡らせていた。もちろんイタズラの算段だ。ところがそれをアカデミー生の声が遮った。
    「ナルト先生~。イルカ先生と火影様って一緒に住んでるの?」
     アカデミー生の一人が質問した。二人ともイルカの話は大体分かったものの、理解は追いつかなかったようでハテナをいっぱい浮かべた顔をしていた。
     ナルトと木ノ葉丸は顔を見合わせて、何と答えたものかと苦笑いした。
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