眩と雪「その目の問題さ、早く治した方がいいんじゃない?」
「…は?」
双星がほかの友人と話している間、人気のない廊下で1人壁に寄りかかりスマホを見ていた雪渡の傍に寄ったのは、雪渡の天敵とも言える眩だった。
「そんな感じじゃ、真夏の陽の下だと雪渡くんが、前みたいな暴風雨だと双星くんが上手く戦えないでしょ。」
「…喧嘩売ってる?直せないからこうなってんだけど。」
雪渡の空気がピリリと張り詰めた。
「そうじゃないよ。視覚支援でどうにかならないのって話。」
「なるわけないだろ。俺たちにとってこれが普通なんだよ。他の人の視覚に変えられると俺にとっては暗いし双星にとっては眩しすぎる。」
「へー、そういうもんなんだ。」
面白くなさそうに適当な返事をする眩に、雪渡は怒りが湧いてくる。
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