ドイツ編約12時間のフライトを終え、俺たちはフランクフルト空港に降り立った。
「グーテンモルゲン!」
「グーテンモルゲン♡」
そうリョーガが笑いかければ、空港を歩いていた女性たちは、はしゃぐような笑顔でこちらに挨拶を返した。なんだか俺まで恥ずかしくなる。早く行くぞとリョーガの腕を引いて、ひとまずフライトで空いた腹を満たすために空港内のカフェに入った。
「最初は俺が通っていたというテニススクールに行くんですよね?」
「あぁ、でもここまでトラブルなくかなり順調だったから、約束してた時間より早く着いちまうな」
事前に連絡してある時間より早く着くのは迷惑だ。どこかで時間を潰した方がいいだろう。そんなことを考えていると、注文の列が進み俺たちの注文する番になった。リョーガがすぐになにか注文したため、とりあえず俺も同じものを注文する。すると、俺の記憶にあるもので例えれば、フランスパン程の大きさのサンドイッチが2つ、目の前に置かれた。その予想外の大きさに絶句している俺などお構い無しにリョーガは2つともを受け取り席へ歩いていってしまった。
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