江澄は必死で首筋に吸いつく藍曦臣に、この人はきっとさみしいのだ、となぜかしんみりしてしまう。
同じなのだ、この人と俺は。
ろくに手順も踏まず、入れられたあとも、痛くて苦しくてつらいのに、自分の上で「江澄、江澄」と一所懸命腰を振る様子を見てたらかわいそうになってしまって、文句もいわずに受け入れる。
翌朝、目を覚ましてからは、ぼんやりしている藍曦臣に「昨日は満足できたか?」と聞く。
「ええ、すばらしい夜でした」
「それはよかった」
これは慈善事業だ、と江澄は無理に笑顔を作る。
たった一度のことだ。
思い出にすればいい。
そう思っていたのに、なぜか次には寒室に招かれて、そこで抱かれる。
そうして月に一度か二度、藍曦臣に呼び出されては関係を持つという日々が続く。
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