Christmas with You「クリスマスに休暇が取れた」
ブラッドリーは言った。そしてその弾むような声は止まることを知らず、彼は自らの興奮を電話越しに伝えてくれた。クリスマスを正真正銘のホリデーと呼べるなんて。クリスマスを家族と過ごせるなんて。ああ、家族っていうのはマーヴのことね。俺にも誰かと過ごす順番がまわってきたんだ。マーヴに会うために、キリストが俺の味方をしてくれたんだ。
この知らせを受けた瞬間から、僕のホリデーシーズンは始まった。とはいっても、砂漠でクリスマスの浮かれた雰囲気を楽しむ方法は少ない。仕事をせず、恋人と過ごすクリスマスがどんなものかもよくわからない。ただ日ごとに機嫌が良くなるブラッドリーの声を聞くことが、慣れないホリデームードを高めてくれる。
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