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    ドルパロ(多分)。大好き。
    三人は今同じ事務所でユニットを組みました。ホークスの第一声を言わせたかっただけ!

    (20230924プルプラ)

    関係者枠でも入れる気がせんのですけど!!!「エンデヴァーさん飛べるんですかぁ!?」

     ホークスの声が響く。いや響いたというのは誇張しすぎか。何せ我々がいるのは五大ドームの中でも最大規模を誇るあの会場だ。マイクや響設備も使わずに響くわけが無い。ないが、それでもステージに立つ私の耳には届いた。恐らくはホークスの隣の音響スタッフのマイクが拾ったのだろう。インカム越しにハッキリとその声が聞こえた。その証拠にゆっくりとしたスピードで頭上を移動しているエンデヴァーが不機嫌そうに答える。

    「こんなもの、浮いとるだけだ!」
    「いやいやそりゃ今は調整中だからでしょ、それだって貴方の重さ耐えられるなんてどういう仕組みなんです!? え、これ本番はちゃんと飛べちゃうんですよね?!」
    「ホ――――クス! 貴様邪魔をしにきたのか!」

     興奮しきりと言ったホークスはスタッフへ確認まで始めたので、更にエンデヴァーが怒鳴り、私たち出演者やスタッフたちの間でどっと笑い声と、一部でパラパラと拍手が湧く。わかるぞ、エンデヴァー怒りの第1音が出た瞬間に彼のマイクをオフにした音響スタッフは優秀だ。

    「嘘みたい、そんな機械ありましたっけ? え、今回のために開発した? はーコレだからエンデヴァーさんのスポンサーさんってこわい! ガチ勢の夢みたいなことするんだもん、大人の本気怖ありがたい。それ、今後俺たちのライブでも使わせてもらえますかね。一緒にフライングしてみたいです!」
    「邪魔を!するな!」

     フライングマシンはメインステージからセンターステージ、さらに通称天井席と呼ばれる奥のほうまで動く予定だ。動作確認中のエンデヴァーはすぐには降りてこられない。
     遙か上を大人しく移動している主役の姿は小さいけれど、彼のコンサートと言えば欠かせない火柱の特効が見えるようである。それでもホークスの口は止まらなかった。

    「良いなぁ、俺も見たすぎますエンデヴァーさんのフライング!」
    「見たことないのか?」

     今はマシンと照明確認中で、私たちはこれといってやることがない。ステージを降りてホークスの元ヘと向かいながら心底羨ましそうな声に、はて?と思いながら聞けばホークスがこちらへ顔を向けた。

    「恥ずかしながら生では見たこと無いんですよ。ライブ映像くらいでしか知らないんです」

     そう口を尖らせてぼやかれた言葉に、そうか、と思い返す。
     確かにそうかも知れない。ホークスがこの世界に足を踏み入れたのは彼がまだ幼いころと割と早い年齢ではあったが、それでも私たちの事務所に移籍してきた頃はもうエンデヴァーは俳優業をメインとし歌手活動、コンサートを減らしていた記憶がある。
     今準備真っ只中のこのコンサートはエンデヴァーデビュー周年記念と彼の誕生日企画を合わせて企画されたものである。
     現在では俳優業ほぼ一筋であるうえ自身の誕生日祝いでなぜコンサートをする側になるのだと渋りはしていたが、少し前からホークスと私と三人で期間限定ユニットを組んでしまったことで彼のファンやスポンサーがソロ時代のエンデヴァーを渇望するのは仕方がないことだと思う。
     エンデヴァー自身、ここまで自分を支えてくれていたのはそういった根強い声のお陰であることを十二分に理解もしている。だからこそ、今回の一日限りのエンデヴァーソロコンサート復活が実現したのだ。
     新曲はない。当時の持ち歌でセットリストを組みしかしパフォーマンスや演出はブラッシュアップさせるいう内容で構成されている。私をはじめ、様々な分野で活躍するメンバーがいるのは当時彼のバックで踊っていたからだ。皆タイトなスケジュールの間を縫い参加しているのは、ただ一言「面白そうだから」につきる。
     以上の理由でホークスは参加していないのだが、改めて考えて少しだけホークスが可哀相にも思えた。彼のエンデヴァーへの憧れを誰よりも知っているからである。

    「なんだか悪いな」
    「まーこればっかりはどうしようもないですしねえ。それに楽しみでもありますし!エンデヴァー復活ライブ!!」

     ホークスはそういって笑った。観客席からの眺めは久しぶりだとキョロキョロする青年のさわやかで可愛らしい雰囲気で、そしてその装いは彼もまた所謂ガチ勢だと一目で分かる物だ。
     オーバーサイズの白Tシャツに細身のブルーデニム。これは私が以前とあるブランドとコラボした時の限定デザインのもので、デザインや色はそれぞれに違うが三人揃いで購入したものだ。プライベードで良く着ており、それは彼のSNSやインタビューなどでも公言されている。だからこれは問題ないのだが、それ以外だ。
     彼の身体が泳ぎそうなTシャツは今回のコンサートグッズの試作品で結果没デザインとなったものだ。テスト用に作られたのは僅かでスタッフにも出回っていないものをどうしてコンサートに携わっていない彼が手にしているのか。
     それから靴。彼の足下を見れば重厚という言葉がしっくりくるボリュームのダッドスニーカー。赤い安全靴ではと思わんばかりのそれは言うまでも無くエンデヴァーがコラボしたものだ。それもエンデヴァーがソロで活動をしていた頃に販売された限定モデル。決して安くはない価格帯のうえに万人受けするデザインではなかったから、正直なところ評判は良くなかったし実際販売数はそう多く無かったと聞いている。
     私の言いたい事を読み取ったようにホークスはランウェイのモデルになりきったように肩を開きポージングをしてみせる。被ってきたキャップやサングラスも言うまでも無く、エンデヴァーが着用モデルとなった小物だ。私は曖昧に首を振った。

    「君のそういうところが恐ろしくもあり微笑ましいな」
    「お褒めにあずかりコーエイです」
    「楽しみと言っていたが、ライブのチケットは関係者でもかなり入手が厳しいぞ。なにせ一日限定公演だからな。伝手はあるのか?」

     ホークスなら流石に問題ないだろうが、しかし今回は関係者席もギリギリまで絞られている。それを思い出して何気なくそう口にした。聞いた時には流石に耳を疑いこれで良く企画が通ったものだと思うが、本人が本人ならスポンサーや関係者もそれで良いと言っていたというのだから信じられない。まぁしかしどちらかといえばこのコンサート自体が元々の予定にねじ込んだ、とも言えるのだから、と続けようとしていたのだが、返された反応は予想外のものだった。

    「ハァ!?うそでしょ、今はそれしか発表されてないけどここから別の開催スケジュール発表あるんでしょ!?」
    「まさか。我々だって予定があるんだから早々この面子は集まれないよ」
    「でもウチの事務所で別日とか抑えてあるの俺聞きましたよ!?エンデヴァーさんだってずっとスケジュール埋まってるって」

     私たちの中でも情報の早いホークスの耳に入っていないとは信じられなかったが、目を丸くする以上に驚いている彼の様子に嘘は見えない。そうなると、ここまで情報を隠せるのは只一人、今ようやくメインステージに戻って来た男しかいない。ハーネスを外しながらスタッフと確認をして居るのを横目に答える。

    「……じゃあそうなのかも知れないな」

     私はホークスが良くやる癖の一つを真似て、デニムの襟元を両手で持ち上げて見せた。これ以上はノーデニム、私の口がほつれることはない。その意思表示は伝わったらしい。
     ホークスはもどかしげに開いた口を小刻みに動かしながら、声にならない音を発するが、私の様子を見て諦めステージへと一目散に駆けだして行った。

    「エンデヴァーさん!!なんか!俺に言うこと無いですか!」
    「関係者以外は出て行け!」
    「違くて!!」



     後日、エンデヴァーからチケットを受け取りつつ復活ライブをかわきりにオールマイトとエンデヴァーの合同コンサート開催の事実に言葉を失うホークスの姿があった。










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    補足とか。
    若かりしドルエンデヴァーさんで躍ってる手芸部同好会とかいたら良いな~とか、トプ3でユニット組んでる今はウェイト的にムビステやトロッコ、リフターがメインだけど若い頃はスピードある動きやアクロバット盛り盛りな演出だったら良いなと。
    フライングエンデヴァーを見たいというスポンサーが技術の粋を集めてこの度開発しました。今度俺たちのライブでもやりましょうよ!と言っていたホークスくんですが、推しの体積が少し減っていることに気がついたので、取り入れるか絶賛考え中です。
    (可動に問題はないけど炎もコンサートのために少し減量した)
    オルマイさんは引退してもなお熱狂的ファンを世界中に持ってる生ける伝説的存在だったりするかな。

    三人のコンサートとか、毎回演出担当をそれぞれ交代してたりしたら楽しい。それぞれにペンラがあったりもするんでしょうね~!ホークスは羽根モチーフで、エンデヴァーは炎モチーフ、ジニさんは狼モチーフで持ち手にデニムを取り入れたりするデザインとか、って考えるの楽しい。
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