よっぱらい兄さんの陽海「東海道」
揺さぶられて、目を覚ました。
なんだ、一体。気持ち良く眠っていたのに。
機嫌を損ねた東海道は、再び寝入ろうとする。またもや、東海道、と呼ばれたので、うるさいと手で払った。
「あー、だめだね、これ。無理」
「楽しそうに言っちゃって。潰したのはお前さんらでしょ」
「これは飲めるって、自分から飲んだのは東海道だよ」
「水は?」
「途中で飲ませた。てかもう眠いだけだよ。明日までは残らないと思うよ」
会話は聞こえているが、意味は理解していない。
ちょっと寒い。ぶるっと身震いしたところで、
「ああ、ほら、東海道。起きなくていいから捕まって」
そう言われて、身体がぐらりと揺れた。前に倒れようとしたところを、温かい大きな身体が支える。
1469