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    cafeaulait_ak

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    cafeaulait_ak

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    🍟🔵🟡の転生後、再会する二人の短文。

    ※歌みたの世界観からその後の妄想です。苦手な方はお気をつけください。

    再会目の前に暗い川が流れている。
    空はどんよりと曇り、空気は体にまとわりつくように重く赤みを帯びている。
    そんな景色を前に身動きが取れずにいると、いつのまにか隣に誰かが立っていた。
    ぼんやりとした影で顔もはっきりとしない。
    ただ、なぜか懐かしい。
    誰か知りたくて、顔が見たくて、声が聞きたくて……その影に手を伸ばしたところで目が覚めた。

    物心がついた頃から何度も定期的に見る夢だ。
    幼い頃は怖い夢を見たと母親に泣きついたものだが、繰り返し見るうちに慣れてしまった。
    それに今は怖いというよりどこか寂しさを覚える。
    あれは、一体誰なんだろう。
    夢を見るたびに湧く疑問は今日も晴れない。
    そんな決して良い目覚めとは言えない朝だったが、まずは目の前の現実だ。
    夢の余韻を引き剥がし、学校へ行く身支度を始めた。


    いつもどおりの授業にいつもどおりの部活。
    適度に高校での日常をこなし帰路につく。
    近道である公園を通り抜けようとした時、ベンチに座る一人の少年に目が吸い寄せられた。
    たぶん俺と同じ高校生だろうその彼は見慣れない制服を着ている。
    この近くの学校ではないし、他校との試合で会った覚えもない。
    知らないやつだ。
    でも。
    でも、俺は彼を知っている。

    ──やっと会えた。

    頭の中で自分の声がする。
    やっと?と思う間もなく、俺の視線に気付いたのか彼が顔を上げた。
    そして、

    「やっと、」

    と俺を見て溢れるように言いかけて、混乱した表情で口元を手で覆った。
    目が合う。

    その途端、世界が晴れた。

    今まで見ていた世界がまるで薄いベールに覆われていたかのように、いつもの景色が鮮やかに見える。
    空気の粒ひとつぶひとつぶが光を帯びているようだ。

    「俺、何言って……あ、れ?」

    そう言葉を続ける彼の向日葵色の目からツーっと涙が溢れる。

    「え……?ええ!?何で、俺……」

    慌てて目元を擦る彼に近寄り、その手を掴んだ。
    その間にも新たに滲み出てくる涙をそっと拭う。

    「やっと、会えた」

    座ったままの彼の顔を覗き込みながら心のままに伝える。
    初めて会ったはずの見知らぬ彼は、確かにずっと俺が会いたかった人だ。
    ずっと……ずっと前から。
    気付けば自分の頬にも濡れる感触があった。
    いつの間にか流していた涙を、今度は彼がおずおずと拭ってくれる。
    そうしてようやくお互いの涙が止まった頃、ベンチから立ち上がった彼が口を開いた。

    「俺さ、ずっと何か探してたんだよね」
    「うん……うん、俺も」
    「まだよくわかんねーけど……俺たち見つけられた、よな?」

    そう言って彼がにこりと笑った瞬間、
    晴れ渡る青空と爽やかな風が駆け抜ける草原、澄んだ川の水面が脳裏に広がった。
    やっと会えた。
    どうしても忘れられなかった魂の片割れ。

    きっと、もうあの夢は見ない。


    END
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