Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    00_ammy_00

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 1

    00_ammy_00

    ☆quiet follow

    ついったでぼやいてた3年生のパロ色々の過去編。
    書きたいとこだけ書いとけ精神で生きてる。
    青年は了太郎、幼子は弥彦。3歳くらい差があるつもり。

    怪盗と騎士について────

    『せりや、どこだ?』

    幼子は道に迷っていた。
    共に歩いていた友人とはいつの間にか逸れてしまい、小さい身体は大人達の波に呑まれていった。

    『そんなところで如何したんです、お嬢さん?』

    道の端に蹲って泣きそうな顔を隠していた幼子に、一人の青年が話しかけた。
    幼子が声に驚いたように顔を上げると、青年はふわりと優しく笑ってみせた。

    『…私は男だから、お嬢さんではないぞ』
    『おや、失敬。俺のお客様は老若男女みな“お嬢さん”と呼んでいるんだ』
    『お客様?』
    『ああ。俺はマジシャンの見習いなんだ』
    『マジシャン…?じゃあ、マジックができるのか!?』
    『勿論。例えばこんなふうに、俺の持っている赤い花を…こう!』

    そう言って青年がパチリと指を鳴らせば、赤だった花の色は黄に変わった。

    『…!すごい、どうやったんだ!?』
    『それは教えられないな。タネが明かされてしまっては楽しみがなくなってしまうだろう?』

    黄色の花を幼子に渡せば、マジックで必要なのは純粋な好奇心だけだ、と青年は言った。
    しかしこてんと首を傾げる幼子には、その言葉の意味は伝わらなかった様子。

    『まあ、お嬢さんも大きくなったらこの意味がわかるよ』
    『…じゃあ、私が君の言葉の意味を理解した頃、また君のマジックを見せてくれるか?』
    『ああ、勿論。約束だ』

    嬉しそうに言う幼子に、青年も嬉しそうに笑えば頷いた。
    二人は神様にもバレないようにコソコソと喋って、小指を絡めた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works