何百回の夜を過ごしたって
★誕生日
全部じゃなくていい
一片でも届くなら
「よく燃えるな。何を入れたらこんなになるんだ」
「…内緒。これからデートでしょう。お兄ちゃん。煙臭いなんて目も当てられないわよ」
「妹の門出くらい見送らせろよ。明日出ていくんだろう。」
「そうね。当分帰ってこないかな。トラヴィスにはしっかり頼んどいたしまぁ、しっかりちゃっかりしてるから大丈夫ね、ママも寂しそうだったけど。強い人だもの。心配してないわ。あたし此処に居られてよかったわ」
「素敵なお兄様もいたしな。元気でな。イヴ。なに!また近いうちに逢いに行く。」
「期待しないで待ってるわ。約束破りのお兄ちゃん。時間大丈夫?遅刻してない?」
「やっっべぇ!!じゃ、気をつけて行ってこいよ!!」
「行ってきます!お兄ちゃんこそ気をつけてね!
これじゃああべこべじゃない。」
星を見上げる
「おかあさん……ネル見ててね」
煙突から上がる煙を眺めているイヴ
「どうかしたか?イヴ」
「……んーん。サンタさんは煙臭くて。……すすだらけよね。」
「ん」
「?」
「荷物を。同僚達からの誕生日プレゼントなんだろう?」
「こっちの方がいいかな」
「皆に祝って貰って、大切なあんたと一緒にいれる。
世界一……宇宙一幸せ者のあたしと一緒に帰ってくれる?」
「勿論だとも。イヴの最高の誕生日は、この僕が居ないと始まらない。嗚呼、飛びっきりのディナーとケーキも付けよう。勿論プレゼントもだ。何と言っても婚約者……ゆくゆくは妻の」
「ね、ね、あそこのお店エマとアスマから美味しいって聞いたのよ。テイクアウトもできるんだって。行きましょ」
「やれやれ、話の途中だが?」
「わがままなあたしを、まさかエレンは一朝一夕で口説こうとしてないわよね?」
「――意思ある所に道はあるものさ。ハニー」
「きぶんがいいから。今日はそういう事にしといてあげるわ。今年も一緒に居てくれて、祝ってくれてありがと」
作業BGMや見てた動画
カレイドスター
月詠み/ヨダカ seiza/プラネテス
漫画タイトルは、tuki/晩餐歌 から。
★読まなくても差し支えない、裏話★
元から考えてた過去話に、現在の関係やお誕生日をくっつけた話。本当は4ページ納めだった。コマ割りミチミチで、遊びがなかったので7ページにしたが、所がびっくり、7ページ描くのに息切れするようになってた。
ネルくん(エレンさん)に宛てた読まれない手紙は溜まっていくだけなので。定期的に燃やしてる。
ていうめっ〜ちゃ初期の設定が、冒頭のお話に関与してる。
イヴの大切に思ってる2人(お母さんとネルくん達)は天国ないし、お空の上にいる。
ので3ページめの「〜煙たいのかな?」も実は2人も煙たかったのかな?て思いがあったりする。
日本での話だが、お線香とかの煙は極楽浄土と繋がっているとか。この匂いが仏様のご飯だったりする。らしい。
煙とクリスマスなら、煙突とサンタだよね。
4ページめのくだりは、去年のお話とちょっと繋がってたりする。「わがままなあたし」
でも、まだ甘え方もおずおずしている感じ。そこで頼られて嬉しい‼️なエレンさん。可愛い。
「口説かないわよね?」は私は内心「口説かれてくれよ〜😭😭」て気持ち。マジで。まぁ、ふたりは絶対絶対夫婦になるんですけどね……。
欧米ではクリスマスは家族と過ごす日なので。イヴの中ではとっくにエレンさんは家族。認定なんだけど、それを言われるとぴゃっ〜と逃げちゃいそうね。
と長々と書いたけど。まだありますが纏まらないので、そんな感じ。
ここまでお付き合い下さって有難うございました!