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    シュウ

    メカバレ システムエラー 闇堕ち 狂化 何でもござれ

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    シュウ

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    ##シルカイ

    シルカイ ー葛藤とすれちがいー【シルカイ】
    〜前提〜
    ・☆1カイトさんメモリーストーリー『嫌いじゃない』の続き

    ・シルバがAIRに時々くるようになる

    ・カイトさんが一目惚れしていた

    ーーーーーーーーーーーーー
    バー『AIR』に活力に満ちた声が響く。
    「いらっしゃい……今日は目立った傷も無いようだが上手く撒けたのか?」

    いつものように声をかけると、意外な答えが返ってきた。

    「いや、今日は追われてないぞ!」

    「そうか、なら客として……でも無さそうだが、どうかしたか?」

    「カイトを笑わせにきた!!!」

    「………ん?」

    唐突に告げられたことに戸惑いを隠せずにいる間にも話は続く。

    「カイトの笑顔を見たことが無かったと思ってな」

    「いや、ステージ上では笑っているつもりだが」

    「確かにステージではそうだな〜でも、ここで会っている時には見たことがないんだ」

    ーーふと、ライトにも近いことを言われたのを思い出す。
    笑顔か……

    「だから笑わせにきた!」

    「それにしても唐突だな」

    思いついたらすぐに行動する、真っ直ぐな奴なのだろう。

    ーーーーーーーーーーーーーー

    買い出しの帰り、ロボット排斥派に遭遇してしまった。荷物を持ちながらも何とか逃げていると、見慣れた影が視界の端に映った。

    「カイト!!!!!」

    「っ、シルバ!?おい、こっちは……」

    「カイト“も”追われてたのか〜!」

    巻き込んでしまう、そう考える間もなく相手も追われていることに気づく。

    「おい、このままだと挟まれ……っ!」

    尚も奴は止まらない。むしろ勢いを増しているようにも見られた。

    「行くぞー!」

    「行くって何だ……!?」

    その瞬間、地面が遠くに見えた。飛んでいる…!?

    「いやー偶然だけど会えて良かったな!バーに帰る途中か?」

    「あ、ああ…そうだが……」

    状況を飲み込めないまま気楽そうな声を聞く。

    「あ、この体制だと荷物落としそうだな、動かすぞ!」

    「は?」

    視界が回る。高く跳んでいるにも関わらず持ち上げ方を変えているようだ。

    「これでよし、と!!大丈夫かー?」

    奇想天外な状況についていけていない思考回路で何とかして考えようとする。しかし、それすらも阻害されるような事実に気づく。
    ーーーーーー顔が近い

    「カイトー?」

    「っ、ああ、大丈夫だ」

    「そうか!大丈夫なら良かった!このままバーに寄っていくな!」

    ーーーーーーーーーーーーーー

    あの後、AIRに帰ってきてからのことはよく覚えていない。記憶データの故障だろうか…?
    だが、1つ確実に覚えていることがある。

    「俺は……何故あいつの顔が近いと言うだけで動揺したのだろうか。」

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    動揺したことについて考えていると、どうも気まずくなり自然とあいつを避けるようになっていた。

    「一体俺はどうしたというのだ…」

    「カイト!」

    「っ、シルバ、か。」

    「最近あってなかったけど元気かー?」
    「まあ、ステージには出てたから元気か!」

    「ああ、問題ない」

    悩みの種とも言える相手と遭遇するというものはやはり気まずいものだな…

    「…?」

    「どうかしたか?」

    「いやー、なんか前より表情が暗いなって。」

    「そんなつもりはないが…」

    「いや、絶対そうだ!何かあったんじゃないか!?」

    段々と近づいてくる様子を見て、あの時の動揺が蘇る。

    「本当に何も無い、大丈夫だ」

    「カイトは無茶しがちだったって聞いたぞ!」

    「無茶などしていない」

    「本当にか?」

    ーーーーー頭がショートしそうだ。何も、考えられない、そんな気持ちになった。そして言ってしまった。

    「お前には関係ないだろう!俺のことは放っておいてくれ!!!」

    言うつもりはなかった。突き放す必要などなかった。なのに……

    「……そうか、分かった」

    シルバは軽く笑ってそう言った。

    「俺がいなかったら笑顔になれるか?」

    「っ、違っ……!」

    「それなら話は早いよな!安心してくれ、カイトが笑顔でいられることが大事だ!」

    俺は、そう言って遠くへ去っていく姿をただ立ち尽くして見ることしかできなかった。何故俺はあんなことを言ってしまったのだろうか。

    ーーーーーーーーーーーーー

    あれからというもの、本当にあいつに会うことが無くなった。AIRに来ることもない。それどころか、街中ですれちがうことすら無くなってしまった。

    「俺が……俺のkokoroが未熟だったから…なのか……」

    「カイト。」

    「ちょっと一杯飲まない?」

    「いや…俺は……」

    「いいから!俺からの奢りってことで!」

    「えー、俺からの奢りだよ!」

    「どっちでもいいじゃーん!…さ、ほら!こっち来てよ!」

    奥で考えこんでいた俺の手をライトとナイトの2人がひいていく。半ば強引なその行動にまた思い出すのがあの顔なのはどういうことだろうか……

    「はい、できたよ」

    俺の目の前に置かれたのはライムが添えられた爽やかなカクテルだった。
    これは…モスコミュール……

    「何があったかなんて、詳しくは知らないけどさ、これでも飲んでサッパリしちゃいなよ」

    「悩み事は思っているより簡単に解決することもあるんだよ?」

    ーーー2人には隠し事などできそうにないな。
    俺はグラスを手に取り、一息に煽った。

    「……らしくない姿を見せたな」

    「べーつに?」

    「さっさといつものカイトに戻ってくれたらそれでいいよー」

    ああ、らしくなかった。俺は逃げていたのだ。
    ーーーーーハッキリさせに行かねば

    ーーーーーーーーーーーーーー

    思い立ったが吉日とはよく言ったものだが、まさかあの日の翌日にその機会が訪れるとは思いもしなかった。
    あいつの…シルバの姿を見かけることができた。
    どうやら、取り込み中のようだが、俺は止まることはできなかった。

    「シルバ!」

    気づいた時には駆け寄り大声で名を呼んでいた。

    「……!!!カイト!!!!???」

    「待て!話を聞いてくれ!」

    反射的にその場を去ろうとするシルバを呼び止める。ここから何を話すかなど何も考えてはいない。しかし、ここまできて止まるつもりもない。

    「カイト、無理しなくていいんだぞ?俺、すぐに帰るからさ」

    「俺はお前がいないと笑顔になれない!!!」

    「……ぉ?」

    「だから俺を避ける必要はない、むしろ逆効果と言えるだろう」

    「えーー!そうなのかーー!!?じゃあ傍にいないとだな!!!」
    「あれ?でもカイトは俺がいると笑顔になれなくてー?でもカイトは俺がいないと笑顔になれなくてー…あれ???」

    ……???今俺は何を言った???
    勢いで叫んだはいいが、何か、とんでもないことを口走ったような……

    「っていうことは、つまり……これからもカイトのバーに行っていいのか?」

    「ああ、もちろんだ」

    まあ、深く考えても今は無駄だろう。シルバ相手に小細工は通用しないだろうしな。

    「おおー!そうか!じゃあまた会いに行くな!」

    「ああ」

    ーーーーーーーーーーーーーー

    こうしてまた、いつも通りの日常が戻ってきた。騒がしいが、それが心地よいとさえ感じるのだから不思議なものだ。

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