奇妙な逢瀬 夢の中で、釣り糸を垂らしながら瞑想していたタルタリヤはふいに目を開けた。
「これはこれは、珍しい客人だ」
穏やかな口調で話す彼はどこか嬉しそうに聞こえる。すらっとした体格に、黄金よりも眩い石珀の瞳、そして威厳ある佇まい。夢枕に立ったのは、紛れもなく鍾離だった。
「公子殿、息災か」
「……ぼちぼち」
「切れが悪いな。どうした? 俺で良ければ話を聞くが……」
察しが良すぎるとつくづく思うタルタリヤだったが、少し経つと口を開いた。
「鍾離先生ってさ、元素力に振り回されたことはある? あ、いや、質問を変えよう」
「――元素に流れってあると思う?」
タルタリヤは揺れ動く波紋を見ながら聞いた。彼がいつもよりやや不安げに見えた鍾離は答える。
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