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    なづもり

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    なづもり

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    レイハド メルアモ アンサボ エンニエル

    #スカイリム
    Skyrim

    お酒○レイハド

    ハドバルはレイロフより弱かった。腕相撲も口喧嘩も剣の腕も、レイロフの方がいつも一歩先に行っていた。なのに今ではどうだ?ハドバルはいとも簡単にレイロフより大きくなり、強くなった。なんて事だ、とハドバルの手を借りて地面から立ち上がりながらレイロフは嘆いた。目の前の人懐っこく得意げな笑顔が憎らしい。血管の浮き出た硬い腕に支えられて、もう奴も立派な男なのだと思わずにはいられない。ああ、あの可愛かったハドバルが…

    それでも、夜になればレイロフは上機嫌になった。
    酒の香りにすら酔えるハドバルの、情けなくも愛らしい負け姿が見られるからだ。

    昼間の出来事など忘れた金髪の酔っ払いは、あぐらの中にある茶髪を撫でながら、今夜も勝利のジョッキを傾けた。


    ○メルアモ

    メルセルは優雅とも言える手付きで鎧を脱いだが、アモリアの鎧は乱雑に脱がしていくのでメルセルの本質はそれだろうと彼女は思った。

    爪の手入れもされていない指、酒の匂いがする口、遠慮なく押し付けてくる下半身の…
    耳が赤く染まっているウッドエルフはたまらずブレトンの顔に噛み付いた。抗議の唸り声をあげた彼の息はスパイスが効いており、肌は苦かったが、アモリアは気にしなかった。非紳士的な行為には罰を与えなければならないのだ。

    「まだ飲み足りないのか」

    アモリアは酒瓶を蹴散らしながら突進してくる酔っ払いに笑って、今度は舌を噛んでやった。


    ○アンサボ

    スカイリムでは馬鹿の一つ覚えのように酒の種類が少なく、そのほとんどは水で薄められているかカビの生えた樽で寝かされているかで、アンカノは決してそれらの類のものを口にはしなかった。

    しないと決めていた、のだが。

    アークメイジがおずおずと助言を必要としてきた時は思わず声が裏返ってしまった。緊張を解すのに用意した酒は彼のためというより自分のためで、急遽用意したそれはほとんど味などしないワインではあったが、サボスを笑顔にするには十分だったらしい。

    酒の力とは偉大なものだと思わずにはいられない。またこの笑顔が見られるならば。


    ○エンニエル

    「前にも言ったように」

    ただのからかいがこんな事になるなんて誰が思っただろうか。この場合はどんな神に縋ればいいんだ、とエンシルは思った。次の一手を考えるために時間稼ぎに酒をあおる。ジョッキ越しに盗み見たアーニエルは睡眠不足がちな目を伏せて体を震わせている。なんで頬を染めてるんだ、クソ!

    「代金を支払ってもらう」

    アーニエルからの取り立て日を忘れていたわけではなかった。ただ飲みすぎただけなのだ。それにアーニエル自ら支払いにやって来る事も想定外だった。
    そして、代金の支払い。俺はなんて言った?

    「……ちゃんと用意はしてきた」

    サングインだ。

    天井を仰ぎ見たエンシルはジョッキを放り出してしまわないよう握りしめた。彼にはこの夜を明かすための決意が必要だった。

    そして彼はまず、アーニエルがどのように用意してきたのかも聞く必要があるだろう。
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