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    fuzixxw

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    fuzixxw

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    ツイッター裏垢でボソボソやった奴です

    高ぼくくん危機一髪ふと慣れるまでで強くなりたい、と思って無茶しかけてあの世とこの世の狭間で彷徨ってるぼくくん

    秋の山々が赤く色付き始めた頃、1人の少年が山道を駆け抜けるように走っていた。
    何かしら妖気のようなものを纏わせながら。
    しかし少年は気付かなかった。飛び乗った岩が脆い事に。
    岩が崩れ落ちると、少年の息と彼の視界が遠くなった。

    ぼく「ぅ…ぁ…」
    ??「私はお前を知っている」
    ぼく「誰」
    ??「リージ。死後の支配者だ。最初の十三人」
    ぼ「ラング先生の息子さん?ベク爺の弟?」
    リージ「そう、そしてお前は黄泉の川を渡った」

    黄泉の…え!嫌だ!まだ死にたく無い!!ラング先生よんで!訴えるから!」
    リージ「私が来たと言う事は父上様はお助けにならない、ほら行くぞ。現世など辛い事ばかりだろう」
    ぼく「そんな事無い!皆んなが待ってる!返して!お願い!やだ!!」
    リージ「馬鹿に執着するんだな、理解出来無い」

    ぼく「やだ!お願い!あ…シャッター、シャッターお姉ちゃん!助けて!来てくれるって約束したじゃん!やだよ!まだ死にたくない!」
    リージ「君はもうコチラに来てるんだからあちらに声は届かないぞ」
    ぼく「スピン兄さん!!クロック兄さん!ミスファイ…」
    リージ「…仕方ない…」

    センシア」
    ひゅるん
    ネクロボット「…はいここに」
    リージ「彼に幸福を見せておやり」
    ネクロボット「はい。さぁ、坊や、私の目を見て。何も怖くないよ」
    ぼく「やだ!誰だよ!!お前!!離せ!離せぇ!!…!!」
    ネクロボット「美しい景色だろう?ここに君はいける、楽しみだろう?

    「…うん、凄く綺麗…ここに、行っていいの…」
    ネクロボット「勿論、友達も沢山いる、怖い事もわずらいも無い…楽園だ」
    ぼく「楽園…あ、あの人は…」

    「ぁあ…可愛い坊や…ここで何してるの」
    ぼく「えっと…何してたんだっけ…」
    女性「私ずっと前からここにいるの、あの子を待ってるの」

    ぼく「あの子?」
    女性「…少し頭の弱い子だったけど、とても良い子だったの。怪異になっていた私と共に過ごした子…最後は上手くいかなかったけど、私はあの子を今でも愛してるから…」
    ぼく「愛してる…その子名前は?」
    女性「スピニスター」
    ぼく「…スピニスター…スピン…スピンお兄ちゃん…?」

    ぼく「…戻らなきゃ」
    女性「え?」
    ぼく「兄さん達もお姉ちゃんも…本家の皆…父さん母さん…山のみんな、街のみんな…今まであった皆…!みんなが待ってる!!帰らなきゃ!!」
    女性「皆…ねぇ、まさか」
    ぼく「スピニスターも待ってる」
    女性「…!あの子…そう、そうなのね」

    現世・デルファイ病院
    ラチェ「心拍数低下!このままだと不味いぞ!」
    ニスタ「何故だ!アンタら免許持った医者だろ!何故蘇生できない!」
    ファルマ「黙れ!お前も医者なら分かるだろ!どうにもならない事があるのを!」
    ファス「ファルマ先生それは…」
    ニスタ「野郎…!!助けられないからって!」
    ラチェ「まだ死んだ訳じゃない!!!」
    2人「!」
    ラチェ「…ファーストエイド、もう一度AEDを!」
    ファス「はい!」
    ラチェ「頼む頼む頼む頼む…戻ってきてくれ、戻ってきてくれ…」
    ドンッ
    ファルマ「心拍数以前低下中!」
    ラチェ「…!!」
    ニスタ「…(もし聴こえるなら届いてくれ…)」

    ニスタ(あの世界にいる…名前も知らないあの人よ…もし聴こえるなら…この子を返してくれ…頼むよ…こんな俺にも良くしてくれた奴なんだ…なんの罪も無い…たった1人の希望なんだ…)

    待合室
    ドゴォオオオオオ
    凹「うっわぁ…」
    ネキ「…主神よ、あの子を何故殺した」
    コンおじ「おい!落ち着け!」

    ラン先生「…殴られる理由はわかっています。けれど人も怪異も永遠には生きてはいけない。彼にその時が来た、という可能性があるだけです。私達はそれを遮る事はしない、例え理不尽であっても永遠は毒なのですから」
    ネキ「訳の分からない事を宣うな…本当に殺されたいか…」
    ラ「無駄ですよ、それは」

    ベク爺「あなた方に私達は殺せない。この分身なら壊せるやもしれないが、分身は幾らでも甦る、諦めなさい…」
    ネキ「貴方までそういうのか!この外道共!それでも神か!!」
    バシンッ!!
    ネキ「ぃ…!」
    コンおじ「…彼らにも心があるのを忘れたのか…山の姫」
    ネキ「…!」
    辛そうな顔のニ神

    あの世
    女性「こっちよ!まだ間に合う!」
    ぼく「川?」
    女性「大丈夫、まだ浅いから渡れるわ。でも絶対に振り返っちゃダメ、何があっても」
    ぼく「お姉さんは行かないの?」
    女性「…行きたいけど無理なの。それがこの世界のきまりだから。さぁ行って!モタモタしてると深くなるわ!」

    ぼく「あの、兄さんに何が伝えたい事とかある?」
    お姉さん「…時々でいいから私を思い出してって…言ってくれたら嬉しいな。そうすれば私はあの子を待てる」
    ぼく「分かった!絶対伝える!ありがとうお姉さん!」
    お姉さん「ええ!水に入ったら振り返らないで!川を渡り切るまで!」

    ざぷざぷ…
    「ぼくくーん、遊ぼうよ。こっちだって」
    ぼく「振り返らない、振り返らない…」
    「美味しいモノもあるよ、いつまでも遊んでていいんだ」
    ぼく「…マヤカシだ、これはマヤカシ」
    「いい加減こっち見ろ!!耳ついてねぇのかよ!」
    ぼく「!!大丈夫、これは嘘だから…」
    ざぷ…

    ぼく「よし、漸く岸まで着いた…」
    「良かったわね!もう振り向いて大丈夫よ!」
    ぼく「うん、ありがとうお姉さん…」くる

    ネクロボット「ああ!ようやくこっちを見た!」

    ぼく「えっ…」

    現世

    ピーーーーー……

    ラチェ「!!」
    ニスタ「……」

    あの世
    ネクロボット「さぁ戻ろう!」
    ぼく「…や、やめろぉ!!!辞めてくれ!!嫌だぁぁ!!」
    ネクロボット「はじめは皆そういうけど、慣れれば大丈夫。楽園なんだから」
    ぼく「みんなの居ない楽園なんて行きたくない!」
    ネク「その内その皆とも会えるよ、心配しないで…」
    ゴッッ
    ネ「ぐぇ!?」

    生憎だが今日は休め、ネクロボット、センシア」
    ネク「お前は…!!メガトロナス!何でここに!!」
    メガナス「俺は来たいところに来て、助けたい奴を助ける、それの何が悪い」
    ネク「その子はリージ様が死を定めた子だ!兄上様に逆らうのか!」
    メガナス「裏切りなら既にやったぞ?忘れたか?」

    ネク「コイツ…!リージ様!!」

    メガナス「今のうちに逃げるぞ」
    ぼく「えっ…あ、うん…」
    メガナス「全く、水から上がるまでは振り向くなとあの女が言ってくれたろう」
    ぼく「岸まで行ったから大丈夫だと思ったんだ!」
    メガナ「これだからお前は…」
    ぼく「何だと!」
    メ「生き急ぐなと言う事だ」

    光り輝く球体の前に辿り着く2人
    ぼく「…これは」
    メガナス「オールスパーク、の出入り口だ」
    ぼく「ここから出れば生き返れるの?」
    メガナス「その通り」

    「そうはさせない」

    メガ「…やはりきたか」
    リージ「私の仕事はコンビニでアイスを売買するような手軽なモノじゃないんだ」
    メ「知ってる」

    ージ「…はぁ…弟よ、面倒をかけないでくれ」
    武装したネクロボットたちやフィクチャンが大量に現れる
    フィクチャンズ「戻ってラッシャーイ」
    ぼく「う゛ぇ!暫くフィクチャン恐怖症になりそう…」
    メガナス「…バンジーはやった事あるか」
    ぼく「無いけど?」
    メガ「ならば初めてを楽しんでこい」

    ドンッ
    ぼく「えっ」光に落ちていく
    ぼく「うわぁあーー!?」
    リージ「…やりやがったな」槍を出す
    メガナス「ごめんな?兄さん」
    リージ「取り返せ!完全に戻る前に!」
    センシア「御命令のままに!」
    メガ「させるかぁあ!」

    ぼく「うぉああああああ!!」
    自分の身体に落下してく

    ドスンッ

    ぼく「…うわぁ!?は、はぁ…はぁ…」
    ラチェ「ぼくくん…?」
    ぼく「ら、ラチェットおじさん…?ここデルファイじゃん…自分の病院…いなくていいの?」
    ラチェ「…!この子は全く〜ーーッ!!」抱きしめる
    ニスタ「馬鹿野郎…!!本気で死んだかと思ったんだぞ!!」
    ファルマ「はぁ…」力が抜ける

    ファス「よ、良かったですね…本当…」
    ぼく「…ぼく生き返ったんだ…。あ、スピン兄さん…」
    ニスタ「何だ」
    ぼく「ぼく、死にかけてる時に兄さんの事知ってるって女の人にあったんだ。その人が…『私の事時々でいいから思い出して欲しい、そうすれば待ってられる』って」
    ニスタ「あぁ…ありがとう」

    待合室
    ぼく「皆!」
    凹「おわぁ!?生き返ってる!?」
    ぼく「当たり前でしょ、そう簡単に死んでられないよ」
    コンおじ「…信じていたよ、ぼくくん」
    ぼく「おじさん…」
    ガシッ
    ネキ「坊!!」
    ぼく「お姉ちゃん!…う、うぐ、くるし」
    ネキ「む、すまん…また殺してしまう所だった…」

    ぼく「冗談きついよ…あ、ラング先生!」
    ラン「…おかえりなさい」
    ぼく「おかえりなさいじゃないよ!」
    ドゴォオォォ
    ラン「ぐほぉ!?」
    ベク「父上!?」
    ぼく「どうして助けてくれなかったのさ!」
    ネキ「落ち着け、彼らにも決まりがあるのだ」
    ラン「それ貴方がいいます?」

    ラン「…でも貴方1人で戻ってくるとは、貴方はやはり並外れた子ですね」
    ぼく「1人じゃないよ、ほら」
    待合室の椅子を指差す

    メガナス「やぁ、ご機嫌よう」
    コンおじ「ホっ!?」
    ネキ「なっ…!」
    凹「ひ!」
    ラン「メガトロナス!貴方が彼を!」
    メガナス「悪いか?」
    ラン「…さぁどうでしょうね」

    メガナス「俺もコイツにいつまでもビクビクと見張られてては気分が悪いんでな、恩を売ってやったのさ。感謝しろよ、小僧」
    ぼく「…ありがとう」
    メガナス「どういたしまして」
    ぼく「…それにしてもフィクチャンやリージをよく倒したね、しかもこんな短時間に」
    メ「向こうは時間の流れが違うからな」

    ぼく「それにしたって早すぎじゃ…」
    メガナス「……。…ぐふっ…ぅ」血を吐く
    ぼく「メガトロナス?!」
    メガ「悪い…少し…無茶をした…リージの兄貴と戦うのは久々だった…からな…」ドサッ…
    ぼく「メガトロナス!!」
    ラン「ここからは私達が看病します。大丈夫、助けますよ」
    ぼく「…お願い」

    ぼく「…」
    ネキ「…彼の背中を見たか」
    ぼく「え」
    ネキ「背中に傷一つ無かった」
    ぼく「そういえば…結構ボロボロだったのに、背中は大丈夫だったね」
    ネキ「背中の傷は戦士の恥とも言う」
    ぼく「…誇り高いんだね」
    ネキ「違う、その背の向こうには護りたいものがあるからだ」
    ぼく「えっ…」

    ネキ「実際見た訳では無いし、神話に過ぎないのだが、彼の背にある傷は長男プライマが彼を地に落とす時につけた傷ただ一つだけだという、それまで…ずっと彼は護るべきものの為に戦ってきた」
    ぼく「護るべきもの…」
    ネキ「…私達も、護りたいものがあるから力を欲する。でも時々間違えてしまう」

    ネキ「彼のように力に溺れたり、権力や地位の為に誰かを生贄同然にしたり……村を焼いてしまったり…力は、時に悪い方に向かう時もある」
    ぼく「…」
    ネキ「だから坊、お前は…そんな風にならないでくれ…そうなったら…私達はどうしていいか分からない…!お願いだ…」
    ぼく「お姉ちゃん…」

    ぼく「…分かった、ぼく、正しい力を身に付けるよ。もう無茶はしない、ちゃんと一歩づつ強くなるよ…皆の為に」
    ネキ「…あぁ」抱きしめる
    そこにニスタやコンおじも混ざってぼくくんを抱きしめる

    あの世
    リージ「理解出来ない」
    センシア「何故あの子に手を貸したのだ?」
    お姉さん「ダメかしら」

    お姉さん「私の仕事は魂の守護よ、取り立ては任されてない」
    センシア「だが魂を現世に戻すのは禁忌だ!その手伝いをしたなど…」
    リージ「もういい、起きた時間は私達には戻せないのだ。お前には十日の謹慎を言い渡す、しっかりと反省するように」
    お姉さん「…はい」
    センシア「…理解不能だ」

    センシア「現世に何の未練がある?どうせ皆ここにくるのに」
    お姉さん「それは向こうでしか得られない事があるからよ。…貴方も見てみたら?そしたら理解出来るかも知れない。いつまでも分からないままでいたくないなら」
    センシア「…」
    リージ「現世は酷く儚い、ただ一時の悪夢なのに」

    センシア「…悪夢…」
    リージ「私の目にはそう写る」
    お姉さん「どう写るかは価値観次第よ」
    センシア「…」

    南の屋敷
    ぼく「やっぱり分からないよ!」
    ニスタ「俺もわからん」
    ぼく「じゃあ何でこの答えになるのさ」
    ニスタ「説明出来んがこうなんだ、覚えろ」
    ぼく「えー!?」

    クラム「マジでコイツの勉強方アテにならねぇな…俺が変わる」
    ニスタ「むぅ」
    ぼく「ねぇ、数学より外で稽古したいんだけど。天気もいいし」
    クラム「それ午後にやる予定だろ」

    ザッ…
    「よう、せいが出るな」
    ぼく「メガトロナス!?お前元気になったのか!?」
    クラム「またきたのか」
    ニス「…」

    ナス「まぁな、リージにはあの後散々キレられたが」

    リージ『そこ、手が止まってる』
    メガナス『何で俺がフィクチャンの手入れなんか…』
    フィクチャン『次頼むデー!』
    メガナス『うっす…』
    フィクチャン『ピカピカにしてヤ!』

    ぼく「ふ、ふーん」
    メガナス「暇が出来たから稽古しにきた」

    ぼく「本当!!」
    クラム「…あー、午後にはちゃんと勉強しろよ!強く、なるんだろ?」
    ぼく「分かってるって!」
    ニスタ「俺も混ぜろ」

    センシア「…」
    ベク爺「おや、リージの使い。魂の回収ですか。お疲れ様です」
    センシア「いや違う」
    ベク爺「お休みですか?あの子が休みをくれるなんて…」

    休みは好きじゃない、退屈だからな」
    ベク爺「あの子の使いらしいですね」
    センシア「けど…最近、己の仕事が正しいのか分からないんだ」
    ベク爺「正しいですよ、生と死は二つで一つなのですから」
    センシア「そうなんだが…」
    ベク爺「…ここには貴方の持つモノと違う価値観があるのです」

    センシア「また価値観か」
    ベク爺「それを知って、世界は広がっていく。そこに限界はありません」
    センシア「…決めた」
    ベク爺「?」

    あの世
    リージ「何だこれは」
    センシア「辞表です」
    リージ「…そうか、我が庇護を離れる、それが使いにとってどれほど危険か分かってるな」
    センシ「存じてます」

    リージ「助けが欲しければいつでも行くが、間に合うとはかぎらない。それに…使いには次の生は無い、一度切りだ。神の使いの力は誰もが欲しがる、気をつけろ」
    センシア「…はい」

    現世
    センシア「…さて、これから何処へ行こうか」
    謎のリストを見る
    センシア「…彼らを助けてみるかな、そうしよう」

    お姉さん「…あの人旅だったのね」
    お姉さん「…いつかあの子に会う時が来るかしら?」

    「…お姉ちゃん…?」
    お姉さん「あら、お嬢ちゃん、大丈夫よ。私が案内してあげる…大丈夫」
    子ども「うん…」

    お姉さん「…その日が来るまで私はここで頑張らないとね!」

    おわり
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