アルバートをしまえ カーテンを開け、外を眺めているハインラインがいる。外は大荒れ。横殴りの雨に、木が今にも倒れそうなくらい傾くほどの風。台風というやつだ。
今日は予め計画を立てずにぶらぶらと街を散策し、ゆっくりと2人で時間を過ごす予定だった。だが予報の台風は大幅に針路を変え、瞬く間にオーブに上陸してしまった。そうなってしまうともう家にいるしかないわけだ。
予定が潰れてしまった為、外を恨みがましく見ているのではと思っていたが、外の景色から離れることがないその瞳には好奇心の色が見える。案外楽しいのかもしれない。
「楽しいですか?」
「いえ、物珍しいだけです」
ノイマンに視線を移すことなく外を眺めたままだ。物珍しい、と。
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