推し事の憂鬱「お前さ、知ってる?23だぞ、23!」
「へ?何が?」
朝、教室に来るなりエースが私に詰め寄ってきて放った言葉。よく分からない数字に首を傾げるとエースは「ーもう!」と苛立った様子で頭を搔いた。
「ジャミル先輩が貰った手紙が23通!」
「え?何それいつの間にジャミル先輩宛のファンレターの応募先が出来たの?私知らないんだけど。」
「ファンレターじゃねぇ!ガッチガチのラブレターだわ!」
「…Love Letter?」
「Yes.It ’s all a love letter to him.」
「oh my god…」
「いつまでこのノリ続ける気だよ!飽きろ!」
「エースが乗るからじゃん。」
いつも通りの馬鹿なやりとりをしているが私の心の中は嵐が吹き荒れていた。23通のラブレターとかマジですかジャミル先輩。もうヴィル先輩とかに頼んで事務所とかに入った方がいいですよ。ガチ恋勢とか危ないですから。私も人の事言えないけどな!
5778