「いやー寒い寒い」
「なに。勝手に部屋入ってくんじゃねえよ」
「冷たいヤツだなぁ。俺の部屋が暖まるまで少し避難させてくれよ」
「居間で炬燵に入ってればいいだろ…俺いま忙しいんだけど」
「何してるんだ?勉強?」
「バッ!見るな!!」
「そうやって隠されると見たくなる」
「あっ!やめ、こらっ!」
「…これは」
「コラ!返せってば!」
「“今日の晩飯は天ぷらだった”…なにこれ、日記?」
「読むな!返して!兄貴!!!」
「別にいいだろ。なになに…“兄貴が帰ってきたから父さんがはしゃいでご馳走だ。兄貴が帰ってくると飯が豪華だから嬉しい”?おい、これ後で“久々に兄貴と会えて嬉しい”に書き直しときなさい」
「は?!日記を添削するな!!もう、ほんとテレパシーの侵害だぞ!やめろ!!」
「面白いから嫌だ。えーっと?“利守とカボチャの天ぷらを取り合いになったけど、俺が兄貴権限を行使して勝った”…まったく大人気ないねえ」
「くそ、無駄にでけぇ図体しやがって、このクソ!届かねえ〜!」
「“でもアイツ正守からこっそりカボチャもらってた。こういうとき末っ子は得だと思う。俺は弟だけど兄だからいつも中途半端。あんま得した事ない。別に甘えたいわけじゃないけど我慢したくもない。複雑。あと兄貴…”」
「結!!!!」
「うわ、危ないだろ…切解」
「うっせ!それ以上読んだら滅する!結結結結結!」
「がんじがらめ…分かった。はい、返す」
「ふん!マジで有り得ねえ…ふつう他人の日記音読するか?鬼か?お前には人の心がないのか?」
「そうだな、悪かった。謝るよ」
「もっとちゃんと謝れ!兄貴だからってなんでもしていいわけじゃねえだろ、最低!」
「ごもっともです」
「部屋もズカズカ入ってくんな!ノックして入っていいかちゃんと訊けよ!」
「失礼しました」
「…もういい。それで、なんか用?部屋に来たってことはなんかあんだろ」
「いや?別に。今日は寒いなって思ったから来ただけ」
「んだよそれ!もうとっくにお前の部屋も温まったんじゃない?とっとと失せろ!」
「そう、つれないこと言うなよ。もっと沢山話しよう」
ねむいねる
もじうってるとねむくなる
自動保存昨日ないからきえさる