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    kanashiki79

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    kanashiki79

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    寛猪むず!
    うまくまとまらないので没です。

    ほうじ茶 寝不足気味だった日車は、最近よく眠れている。
     理由はただ一つ、簡単だ。

     今も隣で眠る、猪野の存在が、日車を支えている。

     年上、そして、力に対する憧れの強い猪野は、今、まっすぐに日車を慕ってくる。
     応えてやりたい、と、彼の前を走るようになった。

     隣で眠る猪野の体は、熱いほどの体温だ。
     その熱で、若いな、と、昨夜のことを思い出す。
     その温かさも日車の眠りに、一役買っている気が、する。

     まだ瞼を閉じている柔らかな髪を、優しく撫でてみる。
     起きる気配がないことをいいことに、額の傷にそっと触れてみる。

     この傷のことは、まだ教えてもらっていない。
     いつか、教えてくれるだろうか。
     そんなことを考えていると、猪野が目を覚ました。

    「おはようございます」
    「ん、おはよう」

     朝の挨拶を交わすと、猪野が日車の腕を枕とし、肩口へ頭を乗せてきた。
     甘えるように少しだけ頬をすりつけ、体を起こそうとするのを日車は捕まえ、ちゅ、と額の傷へ口づける。
     猪野が照れながら笑い、日車の額へ口づけ、ベッドから出ていく。

     シャワーを浴びた猪が、散歩でもどうかと問う。
     なら俺もシャワーを、と、日車も動き出す。

     夏の早朝に、少しだけ涼しい空気を感じながら、二人は住宅街を歩く。
     喉が渇いた、と、途中のコンビニで冷たいほうじ茶を買い、さらに歩く。

     途中通りかかった花壇に、俯いた向日葵がたくさん植わっている。
     日車がほうじ茶を一口飲み、呟く。

    「落ち込んでいるみたいだな」
    「ああ、それ、違うみたいですよ」
    「そうなのか」
    「俺も最初見た時、同じこと思ったんですけど。種が出来たら重いから、下を向くらしいッス」

     そうか。
     理由があって、下を向いているのか。
     
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