変わらない毎日をあの人と。変わらない日常。
変わらないあの人。
変わったのは、私だけ。
***
あの一件以来、今まで以上にスケートに打ち込む事にした。
余計なことは考えず。
考えず。
…考えず。
今はプリキュアとしても、選手としても、ただ前に進むだけ。
それだけなのに…。
分かっているはず。
なのに、心が付いてこない。
「・・・・はぁ」
と、ため息ひとつ。
変わりない日常の中に、私はいた。
ビューティーハリーショップは今日も盛況で、ほまれはみんなと一緒に接客をしていた。
時刻は昼時。
客足も少しずつ途絶え始めて、最後にいたお客さんも扉を閉めた。
「ありがとうございました」
頭を下げてそれを見送る。
ほまれは店内を見渡し、ゆっくりとソファに腰を下ろした。
いつの間にかその場にはひとり。
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