ポ◯キーゲームしてるだけ「イデアくん、ポッ◯ーゲームしよ!」
「は?そんなパリピリア充みたいなことしませんけど」
「イデアくんリア充じゃん」
「そうでした」
ん、と咥えて目の前に差し出された棒状の菓子。甘いものが嫌いな彼はチョコレートの塗られていない方を咥えているけれど、ねぇそれってそういうフラグですよね??待って待って近い僕らこないだ初めてのキ、キキキッスしたばかりなんですが!!
「んっ、」
咥えた菓子をむぐむぐと動かしながら迫ってくる彼。
いやまぁ拙者確かにうっかりこの陽キャとリア充になりましたけどこういう理由づけでもしなきゃキスするタイミングとかよくわかんないけど心の準備っていうものが…
「ん〜!」
催促キタコレ。
「……、」
迫られたので仕方なく、という風を装って目の前の菓子を咥えてみる。近過ぎて淡い緑の瞳を真っ直ぐ見る事は出来ないけれど、ゲームと名のつくものに負けるわけにはいかないと思ってしまうのもゲーマーの性。さく、さくっと軽い音だけが耳に届いて、気付いたら鼻先が触れるほどの距離。
ここまで折らずにいけちゃう拙者天才か???とか思ってる場合ではない。流石にこれは近い、ここからどうするべきかとこっそり動悸を早めていたら、食べ進めていないはずなのにクッキーが砕かれる音がして、ほんの僅かな距離が埋まった。
「…!」
瞼を伏せた彼の唇と僕のそれが重なって、一瞬で離れようとするから思わず肩を掴む。
「…イデアく、んっ、」
触れ合わせるだけじゃ足りなくて、口の中に残るクッキーの残骸を飲み込んで彼の唇を舌でなぞる。ぴくりと肩は跳ね、瞼も更にぎゅっと閉じられて。
こんな陽キャなリア充しかしないだろってゲームをけしかけてきてフラグ立てたのはそっちなんだが??
瞼とは裏腹に緩んだ唇の隙間から舌を忍び込ませれば、遠慮がちな声が漏れ出して更に興奮したのは言うまでもなく。
「……っ、…あま…」
「…な、なんでプ◯ッツにしなかったんです…?」
「イデアくんにこんなキスされると思ってなかったからだよ!!」
陽キャのギャップに殺されそうなんだが??拙者死ぬ?ねぇ今日死ぬの??