二人でいること モモと喧嘩した。最愛の片割れであり唯一の家族であるあの子と、本当に些細な事で言い合いになってしまった。
別に僕だってあの子を傷付けたかった訳じゃない。むしろ大事にしたいし、彼自身にも自分を大事にするという事を覚えて欲しかった。ただそれだけなのに、どうしてもこうも上手く伝わらないのだろうか。
モモは、人間だった頃から自分の身を犠牲にする事に躊躇いがなかった。それが村で生きていく為に身につけていた知恵なのかは分からないが、僕と共に暮らすようになってからも、彼の自己犠牲は変わらないままだった。彼は僕の身に危険がおよぶと分かると、なんの躊躇いもなく自分の身を差し出し、結果としてモモばかりが傷を負う事が続いた。
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