私の前に現れた少女は、利発そうな瞳を瞬いた。
「シルバーアッシュさん、こんにちは。少しお話をしても宜しいでしょうか?」
小柄ながらロドスのトップを勤めるアーミヤという少女を見下ろす。
「あぁ、構わないが」
「ありがとうございます!手短に済ませますので」
長い耳を揺らし、少女は私に深くお辞儀をした。
ケルシー女史と違った、温和な雰囲気を持っているが、中身は王と呼ぶべき要素を持つ不可思議な存在。
しかしながらロドスとの関係を築くには、彼女ともうまく付き合っていかねばならない。
何よりも盟友の存在が一番重要なので、大概のことには目を瞑ってやろう。
私が通されたのは、会議室でも応接室でもなく、倉庫だった。
壊れかかった簡素な椅子を私にすすめてから、少女アーミヤは倉庫の外を見渡しドアを閉める。
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