「やっとお前に会う事が出来たな、我が友よ」
病院の受付に突然やってきた全身キラキラオーラを放つ、フェリーンの大柄男性に手を取られ、ドクターは宇宙猫状態に陥っていた。
人間、突拍子もない出来事に遭遇すると、なにもかも固まってしまうらしい。
しかしながら、このフェリーン男性と面識がないのだが。交通事故にあい、記憶を失い目ざめてから二週間。
もしかしたら、記憶を失う前にあった友人なのだろうか。
(…しかし、こんな俺様タイプが私の友なのか?)
ぱっと見、めちゃくちゃ高そうなスーツに、やたら整った顔と自販機みたいにでかい図体。
なんとなく感じる育ちの良さと、やや高圧的な俺様っぽい性格。
とても自分と接点がなく、もしや記憶喪失にかこつけて、なんかの詐欺だったりして…と良くない想像が働く。
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