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    やこちゃん

    @kyomuroom

    夏か五か夏五の落書きをあげるよ
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    やこちゃん

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    夏五SS。ナチュラルボーン夏と付き合いたい精神の五。めちゃくちゃ途中で終わる。尻を叩けと言われた。Siriを叩くしかねえ。続きが書けん。

    俺らって【夏五】「付き合ってんの?」
    「………はい?」
     何を言うかと思えば、左斜め上のそのまた右斜め下の。あれ、これ戻ってるか。何にせよ、とんでもない事を五条は言い出した。
     いつものように夏油の部屋で漫画を読んだり駄弁ったり、ゲームをしたり気の身気のまま過ごしていると、なあ、と上から声を掛けられた。
     夏油がベッドに座る五条を振り返り、何、と優しく問うた結果がこれだ。
     夏油は天を仰いだ。見上げた先は天井なのだが、この際景色はどうでもよい。そもそもそのような話になる流れでもなかったはずだ。本日五条が夏油の部屋を訪れたときから思い返してみても、恋愛の話になるような空気ではなかった。
     それに、普段から恋愛話に花を咲かせる様なタイプであれば、このような話題になっても違和感ない。だがどうだろう、同級生は目の前で夏油のベッドを陣取る五条の他に、サラリーマンと一緒に煙草を蒸すような反転術式持ちである女生徒の家入のみであった。男二人、女一人、と少女漫画であれば三角関係が発展するような割合だが、どちらかと言えば、問題児三人(内猫被り二人)もしくは大人二人、子供一人の表記が正しいように思う。そんな三人が恋愛に発展するわけでもなく。況して、恋愛の「れ」の字も出ていないのである。
     そう思っていた。今の今までは。
     事の発端である五条を見つめると、こてん、と首を傾げた。
    「どうなんだよ」
    「いや、どうにもこうにも、そんな話いつした?」
     男二人、女一人のうち、男一人と女一人カップルではなく、男二人で成り立ってしまいそうだった。
     五条と知り合ってからの記憶を早送りで思い返しても、どこにもそんな記憶は見当たらない。恐らくこれが初めてだろう。
     家入ならまだしも、特に五条は恋愛に疎いと思っていた。これまでに付き合った事があるとか、誰が好きだったとか、そういった類の話題に五条はめっきり参加していないからだ。実際、五条本人から「こういうのわかんねー」と聞いたことがあった。
     そんな五条が言うからには、誰か黒幕がいるなと夏油は踏んだ。
     が、五条の真剣でピュアな眼差しを向けられてしまっては言えるものも言えない。もしかしたら五条はその気にさせられただけかもしれない。夏油が思い浮かべた人物は数限られた人数になった。
     そもそも、五条が他人に誑かされるなんてもっての外だし、身内でさえ隙を見せない男だ。その男が、否応なしに信じてしまう人物は。
    (やっぱり硝子かな…)
     後輩である七海と灰原も考えたが、後輩という立場か、五条は二人に甘える事はしなかった。そうなれば、気の置けない同級生がピックアップされるのは必然だった。
     真剣な五条に言うのも憚られるので、後で家入に確かめようと夏油は思った。
    「いつって、別にしてねーけど」
    「じゃあ何でそう思ったの?」
    「一緒に寝るって普通はしないんだろ?」
     たまに五条が部屋に戻るのが面倒になってそのまま夏油の部屋で夜を明かすことも度々あった。その際、ぺったんこなカーペットが敷いてある床に寝かせるのもどうかと思い、ベッドを使っていいと言ったところ、五条が夏油もベッドで寝るように言ってきた。いくら高専のベッドが多少広めに作られているとはいえ、大柄な男二人が一つのベッドで寝れば流石に狭いだろう。だが、気がついたときには既にベッドの半分は空けられており、夏油はそこに滑り込むしかなかった。
    「どうだろう、仲良かったらするんじゃない?それ、誰に言われたの」
    「硝子」
    「うーん、そっかぁ」
    「結構ガチめのトーンで聞かれた」
    「ガチめ!?」
     誠に勝手だが、家入には夏油と五条は一緒のベッドで寝るくらい仲の良い親友、くらいに認識していてほしかった。それにこの話をしたのは一度ではない。何度か話している(五条が)。その度に、お前ら距離感近すぎてカップルみたいだぞ、と言われていた。だがそれは恐らく五条の言う「ガチめ」では無く、普段の戯れのひとつに過ぎないのだろう。だから、五条はわざわざ「ガチ」と言ってきたのだ。
    「硝子のガチめって、想像つかないんだけど」
    「俺間違って深刻な相談してんのかと思ったわ」
    「間違ってはないんじゃない…?」
     いや、多分それ深刻な相談だったんだろうね。硝子にとっては。
     (何聞いたんだ悟……)
     恋愛に滅法疎い五条が、それなりに恋愛経験のある(であろう)家入を唸らせたのは純粋に気になるところだ。
     ふと、初めの言葉を思い出す。
     (俺らって付き合ってんの、か)
     恐らく、一緒に寝る以外にもそう思わせる所以があったに違いない。夏油は思いつく限り頭の中の引き出しという引き出しを開けた。
     夏油はこれまで五条に対してそういった思わせぶりな態度は取っていない、はずだ。はずだと言うのは、そもそも夏油が五条をそういった目で見ていないからだ。ただ、夏油にとってはそういうつもりで無くても、五条がもし夏油の事を好いているのなら些細な行動でさえ思わせぶりな態度になってしまう。ううん、と一瞬頭を唸らせて考えたが、一向に浮かばない。やはりそのような態度はとっていないと考えるしかなかった。
     そこで夏油は、は、と気付く。
     そもそも五条に「好きだ」とか告白じみた事をされていない。その考えに漸く至った夏油は、肝心な事を五条に聞いた。
    「そもそも悟って私の事好きなの?」
     夏油の質問が意外だったのか、五条は瞳をぱちくりとさせた。
    「え、おう」
    「それって恋愛的な意味?」
     ぴたり、と五条が静止する。その後、一瞬何かを考えるような仕草をした。たっぷり10秒の間を取り、五条が口を開く。
    「え、わからん」
     やはり五条は恋愛に疎かった。夏油の推察は間違っていなかったのだ。わからん、と言われてしまっては夏油としてもこれ以上追及する事もできない。
    「もし私がそうだよって言ってたらどうしたの?」
    「言わねーだろ。付き合ってないんだから」
     そして五条は聞いたにも関わらず付き合っていないという認識はあったらしかった。
     だがそれは今だから言えるのであって、仮に本当に肯定の返事をしていたらどうなっていたのだろう。五条はどうしたのだろうか。
    「あのさ、さと」
     コンコン、と部屋のドアがノックされた音がした。
    「夏油さーん、借りてた漫画返しにきました!」
     灰原だ。彼はいつもタイミングが良いのか悪いのかわからない。
     夏油はすくりと立ち、灰原の元へと向かう。その間、五条がじっと夏油を見つめていた事には気が付いていたが、何を思っているのかまでは考え付かなかった。
    「灰原、わざわざありがとう」
     ドアを開けて灰原が届けてくれた漫画を手に取る。灰原にはその様子が見えているだろうが、気にする素振りはしていない。見慣れた光景なのであろう。
    「あ、夏油さん、ひとつ聞いてもいいですか?」
     明日は灰原と二人の任務だったから、その質問だろうか。いいよ、と夏油は快く頷く。
    「夏油さんと五条さんって付き合ってるって本当ですか?」
     ええ……。家入ならまだしも、まさか灰原までこの手の話が届いていたとは思いもしなかった。唖然とした夏油の顔を見るや否や、灰原はすぐさま焦ったように「違います!」と弁明した。
    「誰かに聞いたとかではなく、前に五条さんと家入さんが話しているのを聞いてしまって。スミマセン!」
    「謝る話じゃないよ」
     つまり、灰原にまで勘違いされる事を五条は家入に聞いていたという事だ。本当に何を聞いたんだ。
     これまで静観していた五条が、流石に灰原の話に気が付いたのかベットから降り、ドア付近まで歩いて来る。夏油の肩に手をかけた五条は灰原に問うた。
    「やっぱ俺らってそう見える?」
    「てことは違うんですね」
    「付き合ってねーよ」
    「うーん、どうでしょう!僕はそういうの疎いんでわからないですけど、仲良いなって思います!」
     灰原はキラキラと効果音が付きそうなほど眩しい笑顔で言った。これが少女漫画であれば、その台詞と共に恋が始まっていたのかと思うとやるせない。そして悲しきかな、相手はお互いに男であるし、夏油の相手に至っては恋愛に疎いため自覚がいつになるかすらあやふやだった。残念ながら恋は走り出さない。
     ちらりと五条を見やると、何とも言えない顔をしていた。何とも、というのは本当に何ともで、喜んでいるのか呆れているのかすら微妙で、もしこれだと言うならば「どんな顔をしていいかわからない」という顔だった。
     見つめる夏油の視線に気が付いたのか、五条の視線が灰原から夏油へと移る。
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    やこちゃん

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    俺らって【夏五】「付き合ってんの?」
    「………はい?」
     何を言うかと思えば、左斜め上のそのまた右斜め下の。あれ、これ戻ってるか。何にせよ、とんでもない事を五条は言い出した。
     いつものように夏油の部屋で漫画を読んだり駄弁ったり、ゲームをしたり気の身気のまま過ごしていると、なあ、と上から声を掛けられた。
     夏油がベッドに座る五条を振り返り、何、と優しく問うた結果がこれだ。
     夏油は天を仰いだ。見上げた先は天井なのだが、この際景色はどうでもよい。そもそもそのような話になる流れでもなかったはずだ。本日五条が夏油の部屋を訪れたときから思い返してみても、恋愛の話になるような空気ではなかった。
     それに、普段から恋愛話に花を咲かせる様なタイプであれば、このような話題になっても違和感ない。だがどうだろう、同級生は目の前で夏油のベッドを陣取る五条の他に、サラリーマンと一緒に煙草を蒸すような反転術式持ちである女生徒の家入のみであった。男二人、女一人、と少女漫画であれば三角関係が発展するような割合だが、どちらかと言えば、問題児三人(内猫被り二人)もしくは大人二人、子供一人の表記が正しいように思う。そんな三人が恋愛に発展するわけでもなく。況して、恋愛の「れ」の字も出ていないのである。
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