壁にハマりし者 むき身で壁にハマった尻がある。何を言っているのかわからないだろうが、実際にそこにはソレはあった。遠目にも引き締まった尻がフルフルと揺れている。男の性であろう。思わず吸い寄せられた。
いけないと思いつつも、尻を覗き込む。
「うおっ! 汚ねぇ!」
僅かに動いた足の間にナニカが揺れた。自身にも同じモノがぶら下がっている。つまりコレは男性の尻であるという事実。
突如として訪れた絶望と失望。腹の中で毒吐きながら、その場を離れようとした瞬間だった。
「えっ? 桐生ちゃんなん?」
微かに聞こえたのは覚えのあり過ぎる声。一瞬振り向くも、厄介事に巻き込まれるのは目に見えている。これもきっとヤツなりの策略なのだろう。
よし、行こう。
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