「おはよう、ふーふーちゃん。」
「今日は凄く良い天気だよ。1日中快晴なんだって。」
「家で日向ぼっこしようか、それとも出かけてみようか迷っちゃうね。」
「そういえば育ててたお花がようやく咲いたんだ。明日飾るね。」
サラサラと指先で髪を梳き、囁くような声で浮奇は話しかける。穏やかな顔で目を瞑り横たわるファルガーからの反応は無い。頬に手を添え眠り続けるファルガーの顔を見つめた。
“スリープ”。稼働していた機械部分に負荷がかかりすぎたため正常に戻るまでの待機状態。肉体は最低限の生命活動だけに留めてファルガーは眠り続けていた。
「みんな待ってるよ。サニーも、アルバーンも。ミリーもエナーも、ヴォックスもシュウも、コンフィダンツも、そして俺も。みんなね。」
834