父零♀︎「…着替えがない……」
嘔吐症状も落ち着き、凛月が入浴室から出て行ってから少し後。
体を洗い直し、入浴を終え、脱衣所に移動した所で気が付いた。
確かに入浴前にパジャマを何時ものスペースに置いたはずなのに、そこにはパジャマは無く、代わりに赤い薔薇の刺繍が施された黒いレースのベビードールが置かれていた。
透けている生地は肌を隠す役割を果たしておらず、胸の所にリボンが装飾されているが、端を引っ張ればたちまちリボンは解け、突起が露になる仕組みになっている。
「……っ…………!」
流石にこれを着て廊下に出る事なんて出来るはずもなく、どうしたものかと悩んでいるとメモ用紙があるのに気付き、何となく拾い上げ読むと身体が硬直した。
『これを着て部屋に来なさい』
お父様の文字。
お父様の文字でこれだけが書かれていた…。
***
「……失礼します…」
「っ!『 』!!」
部屋に入った瞬間、笑顔のお父様に抱きしめられる。
体が震えているのはベビードールが薄いだけじゃないはずだ。
入浴中の出来事がフラッシュバックし、吐き気が込み上げてくるが、今嘔吐すれば、お父様のシャツを汚す為、必死に抑え込む。
「…『 』……!『 』だ…。『 』……っ『 』」
「………っ……………」
首筋に湿った生暖かさを感じ、それがお父様の舌だと分かると全身に鳥肌が立ち、冷や汗が流れる。
止めてっと突き飛ばそうにも抱きしめるお父様の力が強く、腕を動かす事が出来ない。
「『 』……『 』…っ『 』……」
「ッ………っ……ぁ……!」
舌が首を這いながら、胸の装飾リボンが解かれ、顕になった突起をお父様の指が弾き、咄嗟に身体が拒絶反応を示す。
足が一歩、後ろへ退き、合わせて体も後ろへ下がり、これを好機と捉えたお父様に扉まで押し込まれ、完全に身動きが取れなくなってしまった。
「ッあ"……ぁ……ゃ"……っ!」
我輩の足と足の間にお父様は長い足を割って入れる。