あのシーンのお話(🦃夢)【本誌ネタ】
緑牛の能力捏造・キャラ崩壊注意
「ギャア〜〜〜!!」
なんだこれは....?
「......あ..........」
「ウゥ.......」
何が起こっている!?
偵察から戻ると、兎丼は地獄と化していた。
百獣海賊団が敗れた。
世界一の戦力を誇る我々が、飛び六胞や大看板が...カイドウさんが敗れたのだ。
私も懸命に戦ったが、最後は信頼していた複数人の真打ちに消耗していたところを背後から襲われて昏倒してしまった。そして空を飛ぶ鬼ヶ島から投げ出されてしまった。....情けない話だ。私はカイドウさんから受けた恩に報いることができなかったのだ。
鬼ヶ島から落下している途中で、何とか意識を取り戻した私はすぐに能力でミミズクに姿を変え、空を飛んで戻ろうとしたが、_______できなかった。
気を失った状態の彼....キングさんが落下してきたのだ。
それを見た瞬間、頭よりも体が先に動いた。
「キングさん....!!」
己の体を限界ギリギリまで増大させ、何とか彼を受け止めることに成功した。
時々ふらつきながらも地上に降り立ち、彼の状態を確認し...絶句した。
全身に受けた刀傷もだが、何よりも酷かったのは羽根の状態だ。
.....彼の美しい羽根が片方切り落とされていたのである。
「あ....あぁ...そんな...キングさん...キングさん....!」
声をかけ続けると、彼の表情が動いた。
「!!キングさん!わかりますか!?」
「ぐっ....🌸....?ここは...うっ...」
「動かないで!傷に障ります!」
とにかく、早く彼の手当をしなければ....!
だが、応急処置をしようにも今の私は包帯など持っていない。
ここから一番近い拠点は...兎丼だ。兎丼にいたはずの真打ち達は確か...我々を裏切ってあちら側についたのだったか。ならばあそこは今もぬけの殻といってもいい。
「キングさん、これから兎丼へ移動します。それまで耐えてください。」
「ま...て...おれは戻る...あそこにはまだカイドウさんが...」
「....気持ちは痛いほどわかりますが、その体では無理です。今は傷の手当てを優先しましょう。....カイドウさんなら大丈夫ですよ。それは貴方が一番わかっているでしょう?」
「...わかった。」
今思えば、こんなこと言うべきではなかったのかもしれない。
兎丼には、やはりろくな人員が残っていなかった。
囚人達ではなく、百獣海賊団のクルーが囚われている牢が多数見受けられた。彼らを解放し、キングさんを運ぶのを手伝ってもらう。キングさんの姿を見て何か思うところがあった人間もいたようだが、皆黙っていてくれた。クイーンさんは優秀な部下を持ったようだ。
だが、無事キングさんの手当てを終えて鬼ヶ島に向かおうとした時______
鬼ヶ島が地上に墜落したとの報告が入った。
それも花の都ではない場所に、だ。
その報告を聞いた瞬間、私もキングさんもこれがどういう意味を持つのかを瞬時に理解した。理解せざるを得なかった。
あぁ....カイドウさんが敗れたのだと。
私は周辺の戦闘員達を兎丼に集結させた。その中で、キングさん同様に鬼ヶ島から投げ出されたクイーンさんを発見した。クイーンさんもかなりの重傷を負っていたが、キングさんと言い争う元気はあるようなので安心した。流石サイボーグ。
そしてあの日から1週間が経った今日、私はキングさんの命令で周辺の偵察を行って帰ってきたところ、兎丼が地獄と化していた。
皆植物のようなものに身体を拘束され、中には身体を貫かれている人もいた。
誰だ。
私の大切な....家族を傷付けたのは...!!
....あそこか!
この地獄を作り出した元凶がいるであろう場所にはの植物が集中している。
急いでそこへ向かう....が、その光景を見た瞬間、全身の血が沸騰するような感覚に襲われた。
「よせと言ったよな!?幹部ごときにやられてちゃおれの立つ瀬がねェんだよ!!」
あの男は何をしている...?あそこで胸を貫かれているのは誰だ....?いや、あの人は....!!
「海軍は"後始末"に回せる戦力がねェ.....おれの読み通りお前らは.......!!.....!?」
一瞬で男の背後へ回り、その首を狙うがすんでのところで避けられてしまった。
「何だァ?まだ動ける奴が残ってたとはなァ!?」
「黙れ政府の犬が。皆を解放しろ。」
「あん?あんた女か。女の願いはできるだけ聞いてやりてェが...それはできねェ相談だ。」
「ならば貴様を殺すまでだ。」
そう言って再び戦闘態勢に入ろうとした時、倒れていたキングさんが声を上げた。すぐに彼に駆け寄る。
「やめろ🌸....!早く逃げろ....!」
「何を言ってるんですか。私だけ逃げる?そんなことするくらいなら死んだほうがマシです。」
「だが....うっ...待て...行くな...!」
逃げるように言う彼から離れ、男に向き合うと突然男が笑い出した。
「らはははは!思い出したぞ!確か百獣海賊団には大看板に次ぐ実力を持つ女がいるってェ話だ!あんたのことか!」
「....それがどうした。」
「良いねェ...気の強い女は好きだぜェ!ならさっさとその顔を拝ませてもらうとする.....かァ!!」
「!」
男がふざけたことを言ったと思ったら、その手を私に向けて攻撃してきた。それが身体を貫く直前に何とか避ける。
「(速い.....!)」
「良い反応だ!じゃあこれはどうだ!?」
私が躱すと男は次々と攻撃を仕掛けてくる。
しかも、息一つ乱さず笑いながらだ。完全に遊ばれている。
「(完全に防戦一方だ....何とかこの状況を打破して彼らを....)!!ぐっ...!」
「考え事とは余裕だなァ!」
ほんの一瞬、地に伏す彼らに意識を向けたのが命取りになり、男の手から伸びる植物に身体を拘束されてしまった。
「くそっ!」
「さァて...顔を見せてもらおうかね。」
キングさんにあんなことを豪語したくせに手も足も出ないなんて....!
男は拘束された私に近付き、フードを取った。
「.....らははは!驚いた!まさかルナーリア族だけじゃなくて、あんたみてェなのもいるとはなァ?」
「......」
「確かァ....25年くれェ前に研究所から脱走したんだったか?」
「....私をどうする気だ。また研究所にでも入れる気か?」
「さァなァ....おれはあんたの種族なんざ興味は無ェが...海賊とはいえ、あんた程のいい女はそうそういねェ。どうだ?おれと来ねェか?」
「断る!」
「...そうかァ。そいつは残念だ。」
ヒュッ
「がはっ....こふっ...」
「🌸!!!」
腹を3本の植物で貫かれた。それにより吐血し、だんだん意識が朦朧としてくる。
「安心しろ。殺しやしねェ...あの人があんたに興味があるみてェなんでな。」
消えゆく意識の中、最後に見たのは愛しい人の悲痛な表情だった。
あぁ....ごめんなさい....愛しい人...そんな顔をさせたくなかった....
そこで意識が途切れた。
「あ、気絶させるだけにしとけば良かったか?まァ簡単に死なねェみてェだからいいか。」
「貴様ァ!」
「ったくうるせェな!大人しく寝てろ!!」
「ぐぁっ....」
「そんなにこの女が大切なら、このまま同じ牢にぶち込んでやるよ。もっとも、軍艦が着いたら別々に連行するがな。せいぜい今のうちに別れを済ませておくんだな。」
男はおれと🌸を拘束したまま牢屋に入れ、どこかへ去って行った。
「🌸...!」
拘束された身体を動かし、倒れ伏す🌸を腕に抱える。息はある。....だが出血が多かったのか、かなり顔色が悪い。
🌸の意識が戻ったのはそれから2時間程経った頃だった。
「....うぅ...」
「!🌸!しっかりしろ!」
「キン.....さ...」
「あァ...全くむ「ごめ...なさ...」...🌸?」
「ごめん...なさい...まも...れ...なかった...」
「....馬鹿が...」
この後、2人で協力して脱出してくんねーかなぁ....