願いは時と風を超えて。———今日も、駄目だった。
寝苦しさと押し潰されそうな感情にがばっと布団から飛び起きる。
いるはずの無い隣、一人で迎える何度目の朝。
あの言葉は、何だっけ。
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「独り占めの景色ってこういう風に映るんだね」
はしゃいでいたのか、咄嗟に出たのはおかしなもので。カゲリエに浮かぶ丸い照明が星のようでキラキラしていて、子供のような気持ちに戻れる。
姿は見えなくともハァと呆れたような顔をしているだろう相棒が口を開いた。
『オレもいるだろ?暁人クン』
茶化すように横槍を入れ、そうだと口をおさえた時にはもう遅い。
誰もいないベンチに腰掛け、赤や黄色、ピンクに彩られたカラフルな電飾を見上げながら三色団子を頬張る。
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