想い、念い、重い愛など不確かなものは僕には必要ない。
それは今も昔も変わらない。
人は必ず裏切る生き物なのだから。
僕は愛を、永遠を否定し続ける。
今日もジャイボと行う行為。あくまでこの行為は生物の生理的要求を解消するためのもの。僕もジャイボもこの行為を「愛し合うもの」だとは思っていない。だからこそ、ジャイボはいい。他の馴れ合いの多い奴らとは違い、群れることをしない。女の子のような綺麗な顔をしている反面、突飛な行動言動からは変な子、ヤバいやつと揶揄されることも多い。しかし、僕にはそれが面白く興味深く感じる。何より、誰にも懐かないヤンチャな猫が僕にだけは腹を見せるように懐くのは気分がいい。
僕の考えを1番に理解し賛同してくれるお前が良い。
僕のために1番効率よく動いてくれる。
あぁ、ジャイボ。
お前にとっての僕だってそうだよな?
僕の理解者でいてくれよ。
「僕のこと愛してる?」
行為の最中時々そんな言葉を口にするジャイボ。
今にも泣きそうで、どこか艶やかな目がこちらをじっと見ている。お願いとでもいうように。ジャイボらしからぬ行動に驚きつつ、いつものように言い聞かせる。
「いつも言っているだろ。それは規則に反している。ダメじゃないかジャイボ。愛なんて不確かなものお前には必要ないよ」
そう伝えると、ジャイボは一瞬目を伏せ、「そうだね……きゃは!」といつもの調子に戻った。
そうして、2人で行為を続けた。
愛なんて必要ないだろ、終わりのあるものに僕らには必要なんてない。
お前は僕一番の理解者で、僕もお前の理解者だろ。それで良いじゃないか。それがいい。
ジャイボは下を向いていて表情こそ読めないが、その事をきっと理解してくれている。
そう微笑みながら、僕はジャイボの髪を撫でた。
愛、永遠なんて不確かなものなどいらない。