いいんですか？いいんですよ「いいんですか？僕がマルバス先生のこと
こんなに好きになっても」

僕はみっともなく涙を目に溜めて続ける。

「こんなッ…こんなにぐちゃぐちゃになって
みっともなくすがりたくなるような
気持ち初めてで」

「はい」

「もう、戻れないくらいにマーチが居ない
明日なんて想像出来ないくらいには好きで」

どれほど自分がマーチのことが好きなのか
どれほど愛しているか伝えたいのに
ぐちゃぐちゃになったこのどす黒い感情は
言葉にすることが難しい。
言葉の代わりにボロボロと涙が溢れるばかりだ。

「エイト…」

するとマーチの手が僕の涙を優しく拭って
少し何か考えると
マーチの顔が目の前にきて
唇に柔らかい感触が…。

「え…い、今！キ、キ…ｽｯ」

驚きのあまり固まる僕の手に
するりと自分の指を絡ませこちらを見つめた。

「いいんですよ、僕のこと好きになって
俺はエイトに好きになって欲しいです。」

まっすぐ僕の目を見てそう言ってくれて
嬉しくって愛おしくって尻尾の先まで
熱がこもって熱い。
緩く絡められていた指をぎゅっと強く
でも優しく握って自分の方に引っ張ると
マーチはバランスを崩してよろけるから
逃がさないように僕の胸に閉じ込めて

「本当にいいの？もう逃がしてあげられないよ」

分かりきった答えが聞きたくて意地悪をする。
するとマーチは、角を少し下げて

「逃がす予定があったんですか？
俺は逃げる予定ないんですけど」

ほんのり耳を赤くして言う
これはずるいな…。

「そんな予定ないよ」

今度は僕からキミの唇を奪った。

「いいんですか？」
と僕が聞くキミは
「いいんですよ」
とキミは笑ってくれる。
くすくす笑うキミが何より可愛くて
強く強く抱き締めた。
キミは驚きながらも、抱き締め返す。
あぁ、まさかこの僕が1人の悪魔に
こんなに狂わされるなんて想像もしてなかったな。
でもそんな恋もいいと思えるほど愛おしい。
キミにだけ狂っていたいと思える。