きみに捧げるあいの歌 実の親に恵まれず胡散臭い双子によって育てられたオーエンの人生は奇妙なものだった。引き取った双子は「片方がパパになったらお揃いじゃなくなっちゃう」と意味不明なことをのたまいオーエンのことを知り合いの医者の養子にしたし、医者は半分闇医者で名前を言われるままに貸しただけだったからオーエンとの交流は一切ない。
育ての親となった双子は彼らなりの愛情を注ぎはするが子育てには向かなかったし、育てのパパが二人と戸籍上のパパが一人で、パパが多すぎて幼いオーエンは混乱した。こんなにたくさんいらないし全員ろくな奴じゃない。そしてやがて自分を取り巻く環境の異常性を受け入れて、諦めた。毎日お菓子が食べられるのでそれでいいことにした。
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