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    ぽっさむ

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    #義炭版ワンドロワンライ
    #義炭
    🏷️お借りします✨ 

    お題【くっつく・朝l焼lけ】約3h
    今回も大幅オーバー💦すいません🙇‍♀️
    つきまとい(健//全)後、🌊さんがかかった🩸👹術に🎴が巻き込まれるお話。
    ※🦋さん出ます
    台詞ばかりで中身がない💦
    ここ数日、回れていないので既出だったらすいません😭

    #義炭版ワンドロワンライ

    【くっつく・朝焼け】「あっ、義勇さんだ!ぎゆうさーん!」
    「おい待て、俺に近付くな———」


    診察台で身を寄せ合うように座す冨岡義勇と竈門炭治郎。その前には、額に青筋を浮かべる胡蝶しのぶが仁王立ちしていた。
    「冨岡さん、私あなたに怒っているんです」
    昨夜、義勇が退治した鬼の血鬼術が全ての元凶だった。決して強くはない鬼だったが、頸を斬る直前、煙のようなものを義勇の顔に吐いたのだ。
    「炭治郎君。得体の知れない術だから、誰にも会わないよう屋敷にお戻りになって休め・・・と、私はこの男に言ったのですよ。それなのにまったく」
    しのぶは貼り付けた笑顔のまま、言葉の端々に棘を含ませる。
    どうやら、今回の血鬼術は初めに触れた者同士がくっついて離れなくなるもののようだった。初めに触れた者と限定するのは、この状態の二人に禰豆子が触れてくっつかなかったからだ。
    互いに離れようと試行錯誤する二人。しかし、拳一つくらい離れるのがやっとで、ほんの少し力を抜いただけですぐ身体がくっついてしまう。
    「はぁ・・・無理だな」
    「はい。明日の朝日を浴びれば取れると、しのぶさんが仰ってますし、それまでどうにか・・・」
    「(蝶屋敷にいる人間の迷惑になる。とりあえず)俺の屋敷に来い」
    「あっ、いいんですか、義勇さん?お言葉に甘えてまたお世話に———」
    すると、炭治郎が言い切る前に彼の腹の虫が部屋中に盛大に響いた。
    「ふふっ。炭治郎君は松葉杖が外れるくらいまでやっと回復したばかりです。くれぐれも気を付けてあげて下さい」



    冬のはしり。羽織同士がぴったりとくっついた場所が温かかった。
    屋敷に戻る前、義勇行付けの飯屋で昼を済ませることにした。
    義勇は出前に頼って一日遣り過ごそうと思っていたが、炭治郎の腹の大合唱を聞いていたら、屋敷まで我慢させるのは不憫に思えたからだ。
    炭治郎の腹は、一度目の轟音のあと、続いて何度も鳴りだした。当の本人は顔を真っ赤にし、俯くしかなかったようだ。
    しかし、腹にある程度物が入ると炭治郎はいつもの元気を取り戻した。
    「・・・・・・」
    「ここの鮭大根美味しいですね!・・・へぇ、義勇さんは鮭大根がお好きなんですね」
    「・・・・・・」
    「あ・・・冬瓜の綿の部分って煮物にするとこんな美味しいって義勇さんも初めて知りました?俺もです」
    「・・・・・・」
    「あ・・・すいませーん!この方にご飯のお替りお願いします!えっと・・・大盛で!」
    「あいよ!寄り添って、息ぴったり。お客さん、新婚さんみたいだね!!」
    「・・・はぁ。・・・おやじ、こいつにも大盛で」
    義勇は盛大な溜息で店主の茶化しをはぐらかすと、炭治郎の飯を追加する。
    「えっ、義勇さんどうして分かったんですか!?」
    あんなに腹を鳴らしていれば誰でも分かるだろうという言葉を飲み込み、義勇は山盛りの飯に箸を付けた。

    水柱邸に帰ってすぐ、厠問題が勃発した。
    再度試行錯誤の結果。手を繋いでさえすれば、体が離れることが分かった。
    故に、一人がそっぽ向いているうちに済ませば問題ないと事なきを得た・・・そう、炭治郎だけは思っていた。
    「・・・お先、すいません。片耳ですが塞いで、目も瞑るのでどうぞ!」
    気を遣って目を瞑ってくれる炭治郎を兄弟子は見詰める。
    先日、つきまとわれたことが蘇ってくると何だかなと煮え切らない気持ちになったのだ。あの時は、戸を一枚挟んではいたがお構いなしで話を掛けられ、たまに覗かれたのだ。
    「・・・はぁ」
    義勇の溜息は止まらない。

    入浴。問題は厠より風呂だったのだと義勇は知った。
    手や足の先を付けていれば問題ない。
    しかし、炭治郎は名案だといって義勇の身体に抱き着くようにして、お構いなしに掌で洗い出したのだ。自分のでなく、義勇のを・・・だ。
    義勇は『迷案の間違いでは?』という疑問も胸中にとどめ、されるがままだが仕方ない。
    先日のつきまとい事件で、お背中を散々流されているのが救いだった。まさかあの出来事が救いになるなどと、当時は夢にも思わなかった。
    ふと、たまたま当たった炭治郎の肩が冷たい。義勇はもうやめと言わんばかりに、自分にも炭治郎にも桶で湯を掛ける。
    「湯冷めする。来い」
    「・・・え?」
    そういって炭治郎の両脇に手を差し持ち上げると、一緒に湯船に沈んだ。大量の湯が溢れ出て、浴室が真っ白に曇る。
    幼児を風呂に入れる形になってしまったせいか、炭治郎は黙って頬を赤らめていた。
    急に、借りてきた猫になった炭治郎。その幼い反応に義勇の溜飲は少しばかり下がった。
    「・・ふっ」


    風呂で仕返しできたと思ったのも束の間だった。
    一組の布団に当たり前のように入り、横になるまでは想定内だった。こうするしか他ないからだ。
    「今日は冷えるから・・・気持ちいですね」
    唖然としながら天井見ていた義勇は横目で炭治郎を見る。炭治郎はほぼ寝ており、先程の言葉は寝言に近いのだと思う。
    義勇の方を向いて眠る炭治郎。その手はずっと柱の鳩尾辺りをとんとんと優しい手付きで叩いている。
    「・・・・・・」
    他人に急所を触らせているのは不思議な気分だった。その手を不快に思わない自分にも。そんな、とりとめがないことばかり義勇の頭に浮かぶ。
    放心状態のままだったが、炭治郎の高い体温に手を引かれ入眠した。



    翌朝、蝶屋敷にて。
    ぴったりと肩を寄せ合って蝶屋敷の診察台に腰掛けていた炭治郎は、勢いよく立ち上がると直角に腰を折った。
    「・・・朝起きてもこのままでした!すいません。俺が義勇さんに突っ込んだりしたせいで柱の時間を無駄にしてしまって・・・」
    横の義勇はというと、炭治郎が立ち上がりやすいよう握り合った手を前に差し出している。
    一晩で離れるという話だったが、二人で朝日を浴びても現状に変わりはなかったのだ。
    「炭治郎君・・・。気にしなくて大丈夫ですよ。横の柱の方は、得体の知れない血鬼術に掛ったせいで非番扱いでしたから」
    「・・・・・・」
    「冨岡さん、炭治郎君に何とか言ったらどうですか?」
    「・・・(終わったようだから)帰ろう、炭治郎」
    「・・・・・・惚気ないで下さい」
    炭治郎に気付かれないように義勇にだけ、しのぶは凄んだ。対する義勇は涼し気な顔で一瞥だけし、炭治郎の身体を支えてやる。
    「まぁ。明日の朝日を浴びれば間違いなく離れるでしょう」
    その言葉を最後に『さぁ、帰った』という、無言の圧を発すしのぶ。二人はそそくさと診察室を退室した。

    引き合う力が弱まると、松葉杖を手放したばかりの炭治郎は均衡を崩して転倒しそうになった。
    「頼れ」
    「あ、ありがとうございます」
    それからずっと義勇は手を繋いだり、腕を組んだままにしてくれ歩行の介助をしてくれた。

    その日は出前を取って一日外に出なかった。
    身体が訛るといけないので揃って柔軟をし、義勇は炭治郎を抱えて屈伸するなどして、身体を鍛えながら時間を潰した。
    先日、散々追い回されて炭治郎が近くにいることに抵抗がなくなっていた義勇。
    対する炭治郎だが、積極的に触れ合いを求めてくる義勇に対し、不思議な気持ちが芽生えてきた。
    風呂に入ると、今夜の炭治郎は義勇から視線を背け、始めから静かだった。
    近付き過ぎて驚いて足を滑らせる一幕もあり、一気に身体が離れたが義勇がその手を握り引き寄せた。
    義勇は軽く瞠目した後、目を眇めると、昨日のように炭治郎を抱き上げ湯船に入れた。
    それからは危ないからと言って、義勇は炭治郎の手を放さなかった。

    早朝。
    鴇色の朝焼けが障子戸に広がった。
    炭治郎が目を開くと、義勇はもっと前から起きていたようで繋いだ手を挟んだ先でこちらを見詰めていた。
    「・・・ぁ、おはよう、ございます」
    「起きたな」
    目を泳がせる炭治郎の顔は今朝の朝焼け以上に赤く、繋いだ掌は熱いほどだった。
    「・・・ぁ」
    呆気に取られた炭治郎が小さく驚いた声を発す。
    義勇が繋いだ手を上げ、放すと炭治郎の手は敷布に落ちる。もう引き合う力は無くなっていた。
    「外れたようだ」
    起き上がると義勇は用意してあった隊服にさっさと腕を通し、あっという間に身形を整える。
    日輪刀を手に障子を引くと、炭治郎に背を見せたまま言った。
    「俺はこのまま任務へ向かうから、蝶屋敷への報告は任せていいか?」
    「は、はい。あの——」
    炭治郎が手を伸べた先にもう兄弟子の姿は消えていた。
    「行ってしまわれた・・・」
    空を掴んだ掌を見詰める。昨晩からはずっと繋いでいた掌を。
    炭治郎は布団から出て硝子戸を開けると、そのまま立って物思いに耽った。
    もし、義勇を呼び止めたとして、自分が何と声を掛けたかったのかが分からない。
    長い長い二日間だったと振り返る炭治郎。ふと、東の空を見遣った。
    「まだ朝日浴びてないのに外れた・・・」
    太陽が昇る。町は金色の光の水を撒けられたように輝くのだ。
    「じゃあ、いつから・・・」
    炭治郎は冷たい廊下にしゃがみ込んでしまう。
    兄弟子と自分の戸惑う香りだけが、そこでは鮮明だった。
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    「おい待て、俺に近付くな———」


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    「炭治郎君。得体の知れない術だから、誰にも会わないよう屋敷にお戻りになって休め・・・と、私はこの男に言ったのですよ。それなのにまったく」
    しのぶは貼り付けた笑顔のまま、言葉の端々に棘を含ませる。
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