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    キラライ

    自創作の過去絵まとめたり
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    キラライ

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    フォーチュンドール本編29

    フォーチュンドール5章1話貝森特区への移住者も落ち着き、教育施設として貝森学園が建設され、すでに数十人の入学者や見学者がいた。25歳まで任意で生徒として通うことができるこの場所に、幸も見学に行くついでに先行で入学をしていた将信に会うことにした。将信が一つ授業を終えたところ、人の捌けた教室に幸が入ってきた。幸は将信に挨拶すると早速カバンから一冊の古い本を取り出した。将信がその本を見るとぎょっとし、この本をどこで手に入れたのかと問いかける。予想通りこれは魔導書であるが、将信はそれ以上のことは専門外で分からないという。

    「黒い猫についていったら拾ったのですが、やはり魔導書でしたか…」
    「いくら魔法を教えることができるからって、あんまり俺を便利屋だと思うなよ?」
    「でも、私がわからないことはとりあえず聞いておこうと思いまして。」
    「まぁ、少しでも力になれるんだったら、相談には乗るけどさ。」
    「ところで、魔導書は武器として使うのでしょうか?それとも中身を読んだ方が…」
    「あった場所に返した方がいいだろう。何かあっても俺は責任取れないぞ?」
    「それが、来た道を覚えようと振り向いたときには道が変わってしまっていて。」
    「そうか、とりあえずむやみに本を使うとこはしないほうがいい。」
    「そうですか、それでは今日の鍛錬は…」
    「積極的なのはいいが、あんまり毎日やるには疲れるぞ?今日は休んで明日から譲葉もこの学園に誘って鍛錬をしよう。こっちのほうが設備は整っているからな。」

    幸は将信が言うように今日の鍛錬を休み、家に帰った。しかし、魔導書の事が気になって仕方がない、まるで導かれるように幸は魔導書を読んだ。不思議なことに読める。幸は無我夢中で魔導書を読んでいき、その姿を見たグレーラに呼びかけられても気にせず、気が付けば幸の体には謎の力が宿っていた。

    「幸!幸!!」

    グレーラの声はようやく幸に届いた。幸の体は少し跳ね上がり、グレーラのほうを見つめる。

    「やっと気が付いた。ちょっと何やっているのよ幸。その本は使わないほうがいいって言われたでしょ?」
    「あ、その…つい…」
    「ねぇ、なにか変なこと書いてなかったよねぇ?なんかオーラみたいなの出てたけど体は大丈夫?」
    「衝撃吸収…」
    「え?」
    「一定の衝撃を吸収する能力、そうやって書かれていたわ。あまり使い方は分からないけどつまり…」

    幸は食器棚から皿を一つ持ち、頭の上から落とし、落ちるであろう場所を一点に見つめる。グレーラは幸の行動に慌てるが、皿が床に落ちるまでは一瞬の出来事であった。皿は割れることなく、こつんと音を立てて、床に置かれた。

    「つまり簡単に使うとこういうことよね?まだまだ使うには時間がかかりそうだわ。」
    「うわあああああん。びっくりしたよぉ…幸が奇行に走ったかと思ったよぉ…」
    「ごめん、自分でもよくわからなかったから。」

    幸はそっとグレーラの頭を触るとグレーラは少し安心したのか安心した顔になった。幸はこの力をうまく使えたら雫の魔力暴走も制御できるのではないかと考えた。

    そして次の日…

    「先輩、とりあえず魔導書読んじゃいました。」
    「はあああああああああああああああああああああ!?」
    「興味があってついうっかり…」
    「お前、大丈夫なのか!?何かあっても知らないぞ!?」
    「それで新しい能力を手に入れたのですが…」
    「反省しろ!」

    雫は何の話かついていけなくてキョトンとしている。幸は淡々と話しを進めようとするが、将信は焦った顔で幸に説教をしようとしている。幸はとりあえず将信を説得しようと、雫に対し、自分に向けて魔法を撃つように命じた。雫はすごく戸惑うが幸がまっすぐ雫を見つめると、自分の制御できる範囲の弱めの魔法を幸に向かって撃つがやはり制御が効かず、大きな風魔法が幸に向かって放たれた。幸は両手を前に出し、その魔法を吸収してみせると、まだ負担が大きかったのか膝を落とした。

    「さ…幸さん…大丈夫ですか?」
    「ど、どうですか?周りに影響は出てないでしょう?」
    「危なっかしいし、無茶するな。お前が男だったらぶん殴ってたぞ。」
    「え?先輩そんなことするのですか?」
    「はぁ…。」

    幸の行動に、近くにいたグレーラもさすがに堪忍袋の緒が切れたのか、幸に対し、ぽかぽかと握りこぶしをなんどもあてた。そして極めつけに幸の頭にチョップをするが、その瞬間であった。幸から爆発するように衝撃が溢れだし、その場にいたグレーラと将信と雫は周辺に飛ばされてしまった。幸は驚き、グレーラのもとに駆け寄る。将信と雫も自力で立ち上がるが、何が起きたのか理解できなかった。一番混乱していたのは幸であるが、幸はグレーラに傷がついていないことを執拗に確認した。グレーラが幸を宥めるように大丈夫だと何度も言うと、将信と雫も幸に近づき、大丈夫か確認する。そして、先程の衝撃の事を将信が訪ねようとすると、幸は涙目になりながら将信のほうに振り向いた。

    「そ、その…」
    「今のは自分の意思でやったのか?」
    「ちが…い…ます…。」
    「まさか、衝撃を吸収するのはいいが、溜めすぎると勝手に放出するんじゃ…」

    将信が問いかけているところ、幸の涙の量は増えていき、完全に泣き出してしまった。それに戸惑う将信に対して、雫は軽めにそっと幸を抱き寄せた。

    「幸さん…いつもありがとう…私のために頑張ってくれて…でも無理しないでね…」

    その日は幸が泣き止むまで解散しなかったのである。

    そして、ところ変わって、ここは粒体マナを研究する科学部の施設。その一室、今日は部員会議のために数人の人が集まった部屋の扉を思いっきり開ける奴がいた。ダァンッと音を立ててその男は大声で言った。

    「山磨翔織はいるか?」

    そこにいる部員たちは首を横に振り、そろそろ来るんじゃないかと小声を出すと、その男…誉の後ろでおしるこ缶を持った翔織が眉をひそめて現れた。

    「おい、うるさいぞ…ドアが壊れるだろ。」
    「俺たちに力を与える神聖なる動物は?」
    「はぁ?誰だか知らんけど、指さしてんじゃねぇよ。」

    翔織は無視して部員たちのいる部屋に入ろうとすると、誉は翔織の胸ぐらをつかむ。

    「一族としての自覚あんのかお前!」

    2人はにらみ合い、他の部員たちはざわざわする。そこに鶴花も加わり、誉を止める。

    「お兄様、力で押しのけるのはよくない方法ですよ。」
    「あぁ、そうだな。また来る。そん時はお前に一族としての意識をしっかり叩き直してやるからな。」
    「はぁ、そんなに蛇崇拝して、恥ずかしくないの?悪いけど、俺は蛇持ちでもないし、そんな宗教的なこととは縁を切りたいんだが?」
    「んだと?」
    「お兄様!」

    誉は、壁に翔織を叩きつけて手を離し、その場を後にする。部員たちが今のは何だったのかと翔織に聞くが、翔織は話をそらし、会議をはじめた。今日も今日とて部長がいない分、翔織が会議をまとめ、終わった後にまた屋上へ向かうのだった。

    つづく
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編37
    フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編36
    フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。

    「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
    「わからない…今私は何を?」

    「っていうことがあったんですよ。」

    唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
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