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    キラライ

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    キラライ

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    フォーチュンドール本編0

    フォーチュンドールプロローグ3月上旬、ストレートの長い黄色い髪に黒いカチューシャ、黄色のメイド服のような衣装を身にまとう少女、彼女は自身と似ている人形を肩に置きながら病室へ向かっていく。
    彼女の名前は尼波 幸(あまは さき)、親から技能を受け継いだ人形職人の女子高生である。
    しかし、その父親は難病を抱えており入院していて、幸は最近作った人形でとても出来がいいものがあるので評価をもらおうと会いに来たのである。
    父親の顔色は前より悪そうであるが幸の顔を見た瞬間少し顔色がよくなったようにも見えた。
    幸はその最近作ったゴスロリドレスの人形を父親に見せた、かなりいい出来であるとの評価をいただいたが幸の顔色は優れない、出来がいいものの困ったことが一つだけあったからで、そのことを父親にも質問されてしまったからである。

    幸は能力者である。この世界ではまだ、世間には知れ渡っていないが何らかの能力を持った人間がたまにいるのである。その幸の能力は人形に魂を付与することで、それを使えば人形はひとりでに動き出すのである。しかし、幸がその出来のいい人形に魂を入れたところ、いうことを聞かずに今までにないほどの暴走をしたため、せっかくの出来が台無しになったのだ。
    しかし、そのことを言い出せずに魂を入れてみてはどうかと勧めてくる父親に対して幸の肩の方から声が聞こえてくる。

    「お父様、その人形は幸自身も気に入っておられます、しかしながら魂を入れたところ、魂と魔力の波長が合い、大変危険な状態であるため魂を封印いたしました。」

    幸の言えなかったことを代弁したのは彼女の相棒である人形サリアである、サリアは幸の父親が作った人形であり、幸が初めて魂を付与した人形である。
    父親から幸を守るように言われており、礼儀正しく、落ち着きがある。
    サリアは、封印したことについてそれを解くのは幸のタイミングに任せるというと、幸はぞっとして急に話を変えることにしたのである。

    「そういえば、パパの病状はよくなったの?」
    「あぁ幸、お母さんにも伝えてくれないか?お父さんはもってあと2か月ほどらしいのだ」

    親子そろって顔が青ざめる、サリアも父親のことも把握し、少し暗い顔をする。
    重い空気の中、外の音がやけに騒がしいことに気づく、サイレンだ、病院なのだから救急車の音が近づいてくるのがわかる。窓の外を見ると幸の住む家のある方向で火事が起きていた。夕方の空に黒い煙が立ち上っていた。
    幸のもとに連絡が来るのにそう時間は掛からなかった。火は消し止められたものの、幸の住んでいた家は全焼したらしい、使い慣れた自分の部屋も、人形を作るための道具も、そして自分の母親も亡くなってしまったのである。
    不幸中の幸い、父親の預金通帳は父親が持っていた。なにせ、父親は人形職人のなかでも一流で一つ作るだけでも何百万の値が付くほどである、材料もそれなりにかかるとしても稼ぎは学生時代から相当なものだったらしい。
    そのためお金には困らなかったがこの先どうするか、先ほどの人形の件で父親は一つ提案をしたのである。

    「貝森高校」へ転校

    父親の母校であり、能力者の集まる学校であるようであるが、幸の能力は戦闘向けではないため招待を拒んでいたのである。しかし、出来のいい人形が魔力を持っているなら少しばかり安心だろうと父親は思ったのである。
    幸はいままで能力があるがゆえに他人のとのかかわりを少なくしていたのでこれを機に色んな人とかかわってほしいとの願いも父親にはあるようだ。
    幸は不安ながらも頭が落ち着かないため、父の言う意見に賛成し、4月から貝森高校に通うことにしたのである。
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    キラライ

    MEMOハロウィンネタ2024
    幸と雫のハロウィンSS10月31日の昼間、幸の家では人形達が玄関の装飾やジャックオランタン作りをしていた。一方で幸は唯と雫を誘ってカップケーキを作っていた。

    「幸さん、材料はこれで揃いました?」
    「そうね、唯と雫はこの作り方をみて、カップケーキを作ってね。フレーバーや飾りはこっちで切っておくから。」
    「わかり…ました…、できるかなぁ…」
    「少しずつやっていきましょう。唯もカップケーキなら包丁を使わないから安全にできると思うし。」
    「でも料理なんてあんまりしたことないからなぁ。」
    「落ち着いてやればできるものよ。」

    幸は唯と雫に指示を出しながら、色とりどりのかわいいカップケーキを作っていた。幸が珍しく張り切っているのは、先日、将信がハロウィンの日に地元の仲のいい子供たちを連れて知り合いの家を何件か周るというので、幸もなにかのインスピレーションになるかと思い、将信に家に来てもいいと言ったのだ。子供たちに配るためのお菓子として、カップケーキを作ろうと思い、たくさん作るために二人を誘ったのだ。結果的に料理の経験や、楽しい思い出になっているので、すでにとても楽しめている。不安と言えば、いきなりきた子供たちにお菓子をあげたところで、いたずらされたりたくさん話すことになって緊張したりないかと言ったところだが、そのときはそのときで将信にフォローしてもらうことにしよう。
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