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    キラライ

    自創作の過去絵まとめたり
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    キラライ

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    フォーチュンドール本編3

    フォーチュンドール1章3話朝、一限目の授業を受ける生徒もいれば、すでに戦闘を始めている生徒もいる時間。
    幸は学校の渡り廊下の下で雫と話していた。唯は相変わらずの方向音痴のせいで今日も遅刻をしているのか、もしくは学校内のどこかで迷子になっているのかもしれないとも思いながら、幸はアリサと話をつけるために結界を張り中に入っていた。
    もしものことがあればよろしくと雫に頼み、幸は虚空からアリサを出す、アリサの腕を包むように掴み、そっとアリサに話しかけた。

    「お願い話を聞いてほしい。」
    「何を話すの?」
    「どうして私を攻撃するの?」
    「最初は力を試すため、でも私としてもこの力はとても強すぎるわ。だから私は利用されたくないの。」
    「利用なんてしない」
    「どうかしら、利用しないというのなら、なぜ私の封印を解いたのですか?」
    「…。」
    「あなたは弱い。そしておとなしそうだけど、簡単に感情に振り回される。そして、もしもの時は常に人形が助けてくれると思っているのでしょう?甘いわ、あなたのような人に利用されたくはありません。私はこの身に宿ったとはいえ、操り人形じゃありません。」

    冷たい視線と口調が幸に刺さり、幸は言葉を失う、何を話せばいいのか、どうすればいいのかがわからない、アリサは話にならないと幸の手を振りほどき、その手の先を青い閃光が走る。魔法の準備だ。その手を幸のほうに向けるがその瞬間、二人の視界が暗転する。
    そのたった一瞬の直後、幸には幸の、アリサにはアリサの姿が見えていた。幸の後ろにはいつの間にか結界の中に入っていた紫の髪で薄茶色のジャケットを着た老け顔の男がいた。

    「間に合ってよかったです!」

    はっと驚いたのは雫だった、いつの間にか隣には唯がいてサムズアップをしている。
    幸は男に向かい、いつもよりも暗いトーンの声でどちら様かと聞くが男は名乗らず、2人の魂を交換してやったといい、あとは2人でちゃんと話し合ってくれと言い残し結界の外へ出て行ったのである。
    つまり、今の状況は幸の中にアリサが、アリサの中に幸がいるわけで、アリサは魔法が使えずに余計なことしやがってと、幸の姿で苦虫を嚙み潰したような顔をする。
    アリサの姿の幸はキョトンとした顔で話の続きをする。

    「アリサ、私にとってアリサは最高傑作だから魂を与えたの。」
    「だから何なの?まぁ、身を与えてくれたことは感謝するけど。」
    「これからアリサみたいな人形をたくさん作りたくて、それで私はまずアリサと仲良くなりたいの。」
    「仲良くね~といっても、今のあなたは世の中をわかっていなければ、他の人とのコミュニケーションもままならない、到底、私と釣り合うような存在ではないわ。」
    「わかった、アリサに認めてもらえるように頑張る…。だから、応援してほしい。」
    「はぁ、まあ見守ってあげるわ。サリアがいない分頑張りなさい、そして、私の姿でそんなみっともない顔やめなさい。」

    アリサはもう話は終わったと幸の姿で結界の外にいる老け顔の男を睨みつける。男は雫に結界を解除したら勝手に戻るだろうと言って指示を出す。雫が結界装置を解除すると、幸ははっとして自分の姿を確認し、アリサを見つめる。アリサも幸を見ていたが目が合った瞬間目をそらし、男に文句を言いつけるが男はそんなことよりと話をした。

    「全く初対面でいきなり魂を交換するなんてどういうことなのよ。」
    「それが俺の能力だ。魂を交換する、もしくは魂がないものに他人の魂を移動させる。そんなことより、なぜお前は、魔力を持っている。」
    「そんなのこの身に既にあったわよ!それと魂があっただけよ!」
    「え?」

    幸は少し驚いた。最初から魔力が体にあった?てっきり魂と人形の出来の良さとの波長が合って魔力ができたとかとばかり…。
    男は魔力に対して心当たりがないか幸に問うが、そういえば父親の人形作りには必ず入れているという青い玉に様なものがあったような…。それくらいしか思いつかないがわからないと幸は言う。
    何か引っかかるものの男は用事が終わったのでこれでと手を軽く振り、その場を後にする。
    そうこうしているうちに時間がたっていた、ちょうど一時限目が終わったころで幸は次の授業は受けようと、アリサを虚空のカバンにしまい、教室に向かった。
    唯と雫も一安心して、教室に向かう、その途中、唯は雫に先程の男の事を聞かれたので話したのである。

    それから2時間がたった、2つの授業の後の幸は唯たちの教室に向かおうと自分のいる教室を出た。その際、先程の老け顔の男とすれ違った。幸はとっさに振り向き、つい声をかけた。

    「あ、あの…。」
    「ん?あぁ、さっきの魂使いか。」
    「魂使い…?」
    「お前の能力、人形に魂を付与する能力だろ。」
    「あ、はい。」
    「俺と同じような魂の能力者だから気になってな。」
    「先程はありがとうございました。」
    「あぁ、人形とは仲良くなれたか?」
    「これから認められるように頑張ります。」
    「そういえば、自己紹介がまだだったな。俺は3年の赤馬将信(せきばまさのぶ)だ。何かあったら相談してくれ。」
    「3年…?え、その…先生かと思いました…。」
    「うーん、たまに間違われるがまだ俺も10代だからな。」

    1歳しか年が違わないことに驚いた幸、将信はこの風貌だから仕方ないとは思っている。
    魂の能力者として、普通に先輩として、なんとなく頼りにできると幸は思い、唯たちのもとに向かうのだった。

    「幸さん!聞いてください!俺に提案があります!」

    唯は幸と目を合わせるなり、いきなり話しかけてきた。あまりのいきなりさに幸は一瞬、体と跳ね上がらせたが誰にも気づかれなかったようだ。
    唯の提案は、自分たちの戦力を上げるために、自主練として結界の中で雫の描いた絵のモンスターを倒そうというのだ。それはそれでいいのだが、肝心の雫の画力でモンスターがちゃんと出るのかどうか、それと強さの調整ができるかどうかだ。この前のスライムだって3人で倒せなかったというのに…。
    まぁひとつ、案としてはいいとは思った。雫も何か考えてたらしく、少しあわあわしながらも幸に話しかけてきた。その話に幸は目を見開いた。アリサのような魔法が使える人形を何体か作って、幸の指示で戦闘させるというのだ。幸にとっては大切な人形と思っていたが、サリアやアリサも魔法が使えていたし、結界の中であれば壊れても心配はない。サリアのような事件はもう起こしたくはないが、魔法が使えて魂の入った人形の研究にはいいだろう。慣れてしまえば、戦わせるのも抵抗はなくなるだろうしと、幸は思考を巡らせ、家が焼けてから気力を失いかけていた人形つくりを再開することにしたのだ。
    幸は笑みを浮かべ、そうと決まれば、この学校行事も本気になって、今まで自分たちを負かした人たちに目にもの見せてやろうと闘志を燃やした。
    唯と雫もやれるところまでやろうと手のひらを下に向ける形で差し出し、3人で重ね合わせた。頑張るぞ、おー!

    学校が下校時間になった後、幸は人形の素材を探しに、店に向かっていった。どんな人形にしようか、何色にしようか、この思考の時間が幸にはとても楽しい時間なのである。ノートに設計図を描き、土台を作り、型紙を取り、父親の人形つくりの秘訣である青い玉を土台に入れる。そして幸は思った、これがマナコアであるならば…これをたくさん持っている父親って、何者だったのだろうか…?

    つづくかな・??
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編37
    フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編36
    フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。

    「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
    「わからない…今私は何を?」

    「っていうことがあったんですよ。」

    唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
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