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    キラライ

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    キラライ

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    フォーチュンドール本編22

    フォーチュンドール3章6話「待ちやがれ!」

    雨は凛太郎を追いかけていた。しかし、ただただ走っても一行に距離が縮まりそうになく、雨に遠方に対する攻撃がないため、ここままでは逃がしてしまう可能性がある。雨はパーカーの袖に腕を通した。そして、念力を使い自分自身を宙に浮かせ一気に距離を詰める。その速さで思いっきり凛太郎に殴りかかろうとするが、凛太郎はそれに気付いたのか、振り向き、左の黄色の目を輝かせて、光属性魔法で壁を作り、雨の攻撃を防御した。雨は一歩下がり、体制を整え、もう一度攻撃を繰り出す。すると凛太郎は左目の色を赤く変え、炎属性魔法を繰り出し、雨の拳に火をつけた。雨は苦しそうな顔をし、腕の火を振り払っていると、今度は凛太郎の左目が茶色に変わる。地属性魔法で地面を細かくめくり、雨と距離を置き、再び逃げようとするが、それを雨が許さない。雨は念力でめくられた地面を浮かせ、凛太郎のほうに投げつけ、一歩踏み出そうとしたが、何かに足をとられる。足元を見ると左足に太い木の蔦が絡まっていた。凛太郎は左目を緑色に染めて、にやりと笑う。

    「残念だねえ、君には今の僕を捕まえることはできないよ。」
    「返せ…クランの魔力返せよ!」
    「返せと言われてもねぇ~、食べたものはすでに糧となってるわけだし。僕を倒してもクランの魔力は戻らないよ?今後一生魔法なんて使えないだろうね。」
    「てめぇ!!!!」
    「おー怖い怖い~。せいぜい、魔女狩りから逃げてみるんだね~。」

    雨が、絡まった蔦を強引に引きちぎろうとするがビクともせず、さらに凛太郎は追い打ちをかけるように太い蔦を急成長させ、雨の全身に纏わりつかせた。雨は完全に動けなくなり、凛太郎はその場から逃げ去ってしまった。

    夜は、魔女狩りの動向を確認し、クランたちの加勢に入ろうと、向かっていたが、大雨の中で自分とは別の足音を感じた。後ろを振り向くと、そこには誉が立っていた。

    「おいお前、ここに仲間を呼び寄せてどういうつもりだ?」
    「俺はとっくにあの組織を抜けているが、情報が入ってくるもんで、今日にでもこうなるだろうと先生どもに伝えに行っただけだぜ。」
    「どうにしろお前を生かすつもりは俺にはない、ここで決着をつけようじゃないか。」
    「おいおい、最後の最後に退学になっちまうぜ?」

    誉は殺意の目を夜に向ける、そして誉の周りに黒いオーラが現れたと思えばそれは鱗の模様になり、深緑色の大蛇へと姿を変える。夜も戦闘準備をするが、誉の動きは早く、銃を連射する。夜は躱す余裕もなく、大剣を盾のようにし、致命傷は免れたかと思ったが、誉が2丁分の弾を使い切った直後、大蛇が夜にかみつきに行ったのだ。夜はこの攻撃を躱しきれず、右肘を噛まれ、さらには大蛇に巻き付かれ、身動きが取れない状態となってしまう。誉は夜の眉間に銃を突きつけ、目を見開きニタッを笑う。

    「終わりだ…。」

    誉がそういった後に引き金を引こうとした瞬間、誉の銃声とともに左肩からはじけるように血が出る。何が起こったのか理解が追い付かないうちに、次は右の手首を撃たれた誉の目の前には先ほどまで光学迷彩で隠れていたクランの姿があった。クランは二人の姿を確認した後、誉に近づき、隙を見て誉の腰に携えている拳銃を一つ取り、誉が動きを止めた瞬間に至近距離で銃を放ったのである。

    「て、めぇ…。」

    誉がクランを睨んだ後、深緑色の大蛇は夜の拘束を解き、クランへ攻撃を仕掛けたが、解放された夜は思いっきり大剣を振りかざし、大蛇に大ダメージを与える。その瞬間、誉は驚愕し、体を硬直させた。それもそのはずだ、この大蛇は特殊な蛇であり、めったにダメージを食らうことがないのだからだ。夜はクランを心配し、誉との戦いから身を引いた。誉はおぼつかない足取りで大蛇に近づき、寄り添うように寝そべった。その後、鶴花が見つけて介抱するまで時間はそう掛からなかった。

    零子が最初に襲い掛かってきた魔女狩りの集団を倒しきり、呼吸を整えていると、クランと夜が誉との戦いを終えて、向ってきた。雨の姿を確認できない夜は、何かあったのか零子に聞くと凛太郎がクランの魔力を奪ったことを話す。そして凛太郎が逃げた方向に3人が向かうと、身動きの取れなくなっている雨を確認する。すぐに蔦を斬ろうと零子が投剣を使うもあまりにも蔦が太くなかなか斬れない。そこで夜が自分の体質を直接触れている物に付与する能力で大剣に魔法耐性を付与し、蔦を斬る。この能力は先程の大蛇にも使ったものだ。蔦から解放された雨はクランに凛太郎を逃がしたことを謝罪した。クランは雨に対して気さくな態度をとる。そうこうしているうちに外の様子が騒がしくなってきた。魔女狩りの増援が来たのか、それとも他の生徒が魔女狩りと戦うために外に出たのか、クラン達はまだ魔女狩りが来ていないであろう学校の裏から、抜け出した。その後学校中で魔女狩りとの戦いが起きるまで時間は掛からなかった。

    世界中が大混乱してから落ち着くまでは1年半ほどの時間を要した。その間、凛太郎の行方は知れず、誉は出身の村で療養生活を送った。クラン達は能力者として追われる生活であったが、目立つような能力ではなかったため、そこまで不便は感じなかったらしい。

    そして、能力者や魔導士、魔女の住まう貝森特区での生活が始まろうとしていた。

    フォーチュンドール3章 終
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    キラライ

    MEMOハロウィンネタ2024
    幸と雫のハロウィンSS10月31日の昼間、幸の家では人形達が玄関の装飾やジャックオランタン作りをしていた。一方で幸は唯と雫を誘ってカップケーキを作っていた。

    「幸さん、材料はこれで揃いました?」
    「そうね、唯と雫はこの作り方をみて、カップケーキを作ってね。フレーバーや飾りはこっちで切っておくから。」
    「わかり…ました…、できるかなぁ…」
    「少しずつやっていきましょう。唯もカップケーキなら包丁を使わないから安全にできると思うし。」
    「でも料理なんてあんまりしたことないからなぁ。」
    「落ち着いてやればできるものよ。」

    幸は唯と雫に指示を出しながら、色とりどりのかわいいカップケーキを作っていた。幸が珍しく張り切っているのは、先日、将信がハロウィンの日に地元の仲のいい子供たちを連れて知り合いの家を何件か周るというので、幸もなにかのインスピレーションになるかと思い、将信に家に来てもいいと言ったのだ。子供たちに配るためのお菓子として、カップケーキを作ろうと思い、たくさん作るために二人を誘ったのだ。結果的に料理の経験や、楽しい思い出になっているので、すでにとても楽しめている。不安と言えば、いきなりきた子供たちにお菓子をあげたところで、いたずらされたりたくさん話すことになって緊張したりないかと言ったところだが、そのときはそのときで将信にフォローしてもらうことにしよう。
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