Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    キラライ

    自創作の過去絵まとめたり
    過去絵晒す→過去絵集
    メモ→小ネタ
    自主練→書くかわからんが小説

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 90

    キラライ

    ☆quiet follow

    フォーチュンドール本編22

    フォーチュンドール3章6話「待ちやがれ!」

    雨は凛太郎を追いかけていた。しかし、ただただ走っても一行に距離が縮まりそうになく、雨に遠方に対する攻撃がないため、ここままでは逃がしてしまう可能性がある。雨はパーカーの袖に腕を通した。そして、念力を使い自分自身を宙に浮かせ一気に距離を詰める。その速さで思いっきり凛太郎に殴りかかろうとするが、凛太郎はそれに気付いたのか、振り向き、左の黄色の目を輝かせて、光属性魔法で壁を作り、雨の攻撃を防御した。雨は一歩下がり、体制を整え、もう一度攻撃を繰り出す。すると凛太郎は左目の色を赤く変え、炎属性魔法を繰り出し、雨の拳に火をつけた。雨は苦しそうな顔をし、腕の火を振り払っていると、今度は凛太郎の左目が茶色に変わる。地属性魔法で地面を細かくめくり、雨と距離を置き、再び逃げようとするが、それを雨が許さない。雨は念力でめくられた地面を浮かせ、凛太郎のほうに投げつけ、一歩踏み出そうとしたが、何かに足をとられる。足元を見ると左足に太い木の蔦が絡まっていた。凛太郎は左目を緑色に染めて、にやりと笑う。

    「残念だねえ、君には今の僕を捕まえることはできないよ。」
    「返せ…クランの魔力返せよ!」
    「返せと言われてもねぇ~、食べたものはすでに糧となってるわけだし。僕を倒してもクランの魔力は戻らないよ?今後一生魔法なんて使えないだろうね。」
    「てめぇ!!!!」
    「おー怖い怖い~。せいぜい、魔女狩りから逃げてみるんだね~。」

    雨が、絡まった蔦を強引に引きちぎろうとするがビクともせず、さらに凛太郎は追い打ちをかけるように太い蔦を急成長させ、雨の全身に纏わりつかせた。雨は完全に動けなくなり、凛太郎はその場から逃げ去ってしまった。

    夜は、魔女狩りの動向を確認し、クランたちの加勢に入ろうと、向かっていたが、大雨の中で自分とは別の足音を感じた。後ろを振り向くと、そこには誉が立っていた。

    「おいお前、ここに仲間を呼び寄せてどういうつもりだ?」
    「俺はとっくにあの組織を抜けているが、情報が入ってくるもんで、今日にでもこうなるだろうと先生どもに伝えに行っただけだぜ。」
    「どうにしろお前を生かすつもりは俺にはない、ここで決着をつけようじゃないか。」
    「おいおい、最後の最後に退学になっちまうぜ?」

    誉は殺意の目を夜に向ける、そして誉の周りに黒いオーラが現れたと思えばそれは鱗の模様になり、深緑色の大蛇へと姿を変える。夜も戦闘準備をするが、誉の動きは早く、銃を連射する。夜は躱す余裕もなく、大剣を盾のようにし、致命傷は免れたかと思ったが、誉が2丁分の弾を使い切った直後、大蛇が夜にかみつきに行ったのだ。夜はこの攻撃を躱しきれず、右肘を噛まれ、さらには大蛇に巻き付かれ、身動きが取れない状態となってしまう。誉は夜の眉間に銃を突きつけ、目を見開きニタッを笑う。

    「終わりだ…。」

    誉がそういった後に引き金を引こうとした瞬間、誉の銃声とともに左肩からはじけるように血が出る。何が起こったのか理解が追い付かないうちに、次は右の手首を撃たれた誉の目の前には先ほどまで光学迷彩で隠れていたクランの姿があった。クランは二人の姿を確認した後、誉に近づき、隙を見て誉の腰に携えている拳銃を一つ取り、誉が動きを止めた瞬間に至近距離で銃を放ったのである。

    「て、めぇ…。」

    誉がクランを睨んだ後、深緑色の大蛇は夜の拘束を解き、クランへ攻撃を仕掛けたが、解放された夜は思いっきり大剣を振りかざし、大蛇に大ダメージを与える。その瞬間、誉は驚愕し、体を硬直させた。それもそのはずだ、この大蛇は特殊な蛇であり、めったにダメージを食らうことがないのだからだ。夜はクランを心配し、誉との戦いから身を引いた。誉はおぼつかない足取りで大蛇に近づき、寄り添うように寝そべった。その後、鶴花が見つけて介抱するまで時間はそう掛からなかった。

    零子が最初に襲い掛かってきた魔女狩りの集団を倒しきり、呼吸を整えていると、クランと夜が誉との戦いを終えて、向ってきた。雨の姿を確認できない夜は、何かあったのか零子に聞くと凛太郎がクランの魔力を奪ったことを話す。そして凛太郎が逃げた方向に3人が向かうと、身動きの取れなくなっている雨を確認する。すぐに蔦を斬ろうと零子が投剣を使うもあまりにも蔦が太くなかなか斬れない。そこで夜が自分の体質を直接触れている物に付与する能力で大剣に魔法耐性を付与し、蔦を斬る。この能力は先程の大蛇にも使ったものだ。蔦から解放された雨はクランに凛太郎を逃がしたことを謝罪した。クランは雨に対して気さくな態度をとる。そうこうしているうちに外の様子が騒がしくなってきた。魔女狩りの増援が来たのか、それとも他の生徒が魔女狩りと戦うために外に出たのか、クラン達はまだ魔女狩りが来ていないであろう学校の裏から、抜け出した。その後学校中で魔女狩りとの戦いが起きるまで時間は掛からなかった。

    世界中が大混乱してから落ち着くまでは1年半ほどの時間を要した。その間、凛太郎の行方は知れず、誉は出身の村で療養生活を送った。クラン達は能力者として追われる生活であったが、目立つような能力ではなかったため、そこまで不便は感じなかったらしい。

    そして、能力者や魔導士、魔女の住まう貝森特区での生活が始まろうとしていた。

    フォーチュンドール3章 終
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編37
    フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
    2582

    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編36
    フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。

    「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
    「わからない…今私は何を?」

    「っていうことがあったんですよ。」

    唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
    3087

    recommended works