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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    83日目の時のネコチャンが見ているタイカケ(両片想い)

    いつも通り、お気に入りの場所でお昼寝をしようと思ってやってきたら、今日は先客が。ここのおうち? に住んでいる、タイガくん。と、カズオくん。木の下で向かい合って並んでる。
    「あ、あー……」
     口をパクパクさせたかと思ったら、きゅっと結んでしまうタイガくん。カズオくんは黙ってタイガくんが喋り出すのを待っているみたい。
     そう言えばタイガくん、この間「カズオに大事な話をするんだ」って教えてくれたわね。
    「お、れ……」
    「うん?」
    「……っ!」
     カズオくんが首を傾げると、タイガくんはまた口を噤んでしまった。あぁ、じれったい。きっとタイガくんは、カズオくんに「好き」って伝えたいのね。わかるわ。だって、いつもタイガくんがお話してくれているんだもの。
    「タイガきゅん、どうしたの? なにか、言いにくいこと?」
    「いや、その、なんつーか……」
    「タイガきゅんらしくないにゃあ」
     カズオくんは優しく笑って言った。確かに、その通り。でも、カズオくんはタイガくんをせかすわけでもなく、ただ黙って待っている。優しいのね。もしかして、タイガくんが何を言おうとしているのかわかってる?
    「俺、カズオが……」
    「おれっちが……?」
    「……」
    「……」
     流れる沈黙。物音を立てられる雰囲気じゃなくて、アタシは少しも動けない。でも、このままここで見守っていたい。
    「や、やっぱなんでもねぇ!」
     タイガくんはそう叫ぶと、ぴゅうと建物の中に入って行ってしまった。カズオくんは、キョトンとした様子で立ち尽くしている。
     それからアタシに気付くと、優しく笑ってその場にしゃがんだ。
    「こんにちは。タイガきゅんのお友達だよね?」
    「にゃあ」
     カズオくんはアタシが逃げ出すと思っているのか、距離を保っている。タイガくんのお友達から、逃げたりしないのに。
    「タイガくん、何が言いたかったんだろう? キミ、知ってる?」
     あれ?
     カズオくんは心底不思議そうな顔をして、タイガくんのお部屋の方を見上げた。てっきりカズオくんはタイガくんの気持ちに気付いているんだと思ったけど、違うのかしら?
    「前にもお話しした猫ちゃんだよね? 僕、さっきちょっと期待しちゃったんだ。タイガきゅんも僕のことすきなのかな、って」
     そう! そうなのよ!
     私は必死に鳴くけれど、カズオくんには通じない。
    「えへへ、すっごくドキドキしちゃった。でも、本当になんの話だったんだろう? キミ、知ってる?」
    「にゃー!」
     正確にはホントの所は知らないけれど、絶対告白よ!
    「あーあ。ホント、タイガきゅんってわかりやすくてわかんないにゃあ」
     そう言うカズオくんの表情はなんだか幸せそうで、恋ってすごいな、なんて思ったり。
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    オルト

    TRAINING154日目 1352文字
    付き合ってないタイカケのデート
    今日は天気もいいし、比較的暖かい。気持ちがいいな、と思い窓を開けて外を見るとちょうどタイガきゅんが玄関から出て来た。
    「あ、タイガきゅーん! どこ行くの~?」
     呼び止めるように声を掛けると、タイガきゅんはピタリと足を止めた。くるりと振り返ったタイガきゅんは、どこか嬉しそう。何かいいことでもあったのかな?
    「天気いいし、散歩。おめぇも行くか?」
    「え! いいの!?」
    「ダメなら聞かねぇよ。どーすんの?」
    「行く!」
     まさかタイガきゅんから誘ってくれるなんて、思わなかった。スマホとお財布だけを手にし、部屋を飛び出した。外に出ると、タイガきゅんは穏やかな笑顔で立っていた。あんな顔するんだ。
    「よし、行くぞ」
    「うん!」
     俺たちは並んで、温かな陽気の中歩き出した。

     公園に着くと、子供たちをはじめ、老夫婦や若い恋人までいろんな人でにぎわっていた。移動販売の車では、スイーツや軽食を販売していて、俺たちも軽食を手にベンチに腰かけた。
    「ん、おいしい!」
    「こっちも美味い」
     俺はソフトクリーム、タイガはフランクフルトを買った。甘いものを食べてると、しょっぱいものも食べたくなるんだよね。俺も 1422