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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    419文字
    ガリカジのタイカケ
    虎の姿で好き好きして〜!

    今日こそカケルに好きっていう! ちゃんと面と向かって言葉で伝えるんだ!
     そう意気込んでいたのに……
     
    「ぐるるるる……」
    「よしよーし、タイガきゅんっ! いいこいいこ!」
     虎の姿になって、カケルに腹や首を撫でられている。気持ちいい。
     だめだ、俺。いざ告白しようと思ってカケルの前に立つと、緊張してドキドキしてどうしようもなくなって、魔力が昂って、虎になっちまう。
     だから今日も好きと言えないまま。
    「ぐぅ……」
    「ん? にゃーに?」
     こうなってしまうと暫く人間には戻れないし、戻れたところでやっぱり好きと言えない。
     ホント、情けねぇ。
    「ほんと、タイガきゅんはキャワイイねぇ~。大好き!」
    「ガォっ!!」
    「うわぁ!」
     可愛いだなんて、大好きだなんて……! それは俺と同じ好きなのか?
     思わず飛び起きてカケルに擦り寄る。
     あー、この姿ならいくらでも身体を寄せられるのに。態度で示せるのに。
    「ふふっ、よしよし」
     あー、もう、今日はいい。今日はこうして、カケルに存分に甘えることにする。
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    オルト

    TRAININGタイカケ。
    付き合っていくうちに、カケルくんに対してだけ策士になっていくのもいいな。
    このところ、結構冷え込む。青森に比べたら全然だけど、それなりに東京も寒くなるんだな、なんて思いながら窓から冬の空を見上げた。今にも降り出しそうだ。この気温だと、みぞれか……雪になってもおかしくない。
    「さみぃよなぁ」
     今朝、寒い寒いと言いながら出て行ったカズオのことを思い出す。寒いのならもっと厚着をしていけばいいのに、と思うけど、ファッションがどうのこうの言って寒そうな薄っぺらいコートで出て行った。そう言えば、傘、ちゃんと持っていったのか? まぁ、アイツのことだから準備してるだろうし、持ってなくても車移動出し大丈夫か……。でも……。
     俺はカズオに一言連絡を入れる。
    ―今日、帰りは?
     仕事中だろうから返事はすぐに来ないだろうと思っていたけど、案外すぐに来た。
    ―今日は久しぶりに電車で帰るよん! 雨降りそうだから急がなきゃ~
     めずらしい。この言いぶりだと、傘も持ってなさそうだ。
    ―何時ころ駅着く?
    ―あと十五分くらいかな。
    「よっし」
     俺は上着を羽織り、全然使ったことのないマフラーを掴んで玄関に向かった。自分の傘とカズオの傘を掴んで外に出ると、ぴゅうと冷たい風が頬を刺した。
    「寒 1064

    オルト

    TRAINING成人タイカケ。
    おじさん組と無自覚両片想い。
    「それでさぁ~、タイガきゅんがさぁ」
     顔を真っ赤にしたカケルが、日本酒をちびちび飲みながら声を上げる。
    「うんうん、それで?」
    「こんどね、おれっちの出張の前に、どこか遊びに行こ~って、いってくれたのぉ!」
     締まりのない顔で言うカケルに、ミナトが「良かったなぁ」と声を掛けると、カケルは「いいでしょ~」と言って笑った。その隙に、ユキノジョウはカケルの手元から徳利を遠ざけ、自分の手元のものと入れ替えた。
    「だからねぇ、おれっちもう楽しみで楽しみで……」
     カケルはそのまま徳利からおちょこに中身を注ぎ、またちびちび飲み始めた。カケルは気付いていない。徳利が入れ替わったことも、その中身が水であることも。今日はいつもに比べて格段に飲むペースが速く、先程からユキノジョウもミナトもカケルの様子に気を配っている。だいぶ酔っているようで、タイガに遊びに行こうと誘われた話を何度もしている。話を聞かされている二人は、その度に初めて聞いたように反応していた。
    「これ、デートって思ってももいいのかにゃぁ?」
    「あぁ、デートだろう」
    「そうそう、香賀美は照れ屋だから、そう言わないだろうけどね」
    「えへへえぇ。 1563