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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    702文字
    22世紀蕎麦屋タイカケ
    タ5歳くらいかな。

    おつかい「ホントに大丈夫?」
    「大丈夫だって! こんくらい、楽勝だって!」
     タイガくんはそう言って胸を張る。首からかかったがま口の金具が光る。
    「それじゃ、行ってくる!」
    「余計なもの買っちゃダメだよ~!」
     俺は勢いよく駆け出したタイガくんの背中に向かって声を掛ける。今日はタイガくんの初めてのおつかいだ。先に出たミナトさんに頼み忘れたものを、タイガくんに買ってき貰おうというもので、女将のユキさんの発案だ。ミナトさんに連絡を入れてもいいんだけど、せっかくの機会だし
    「行きましたよ」
    「それじゃ、カケル。よろしく頼む」
    「はい!」
     俺は返事をしてからタイガくんの後を追った。
     転ばないかな、とか、違うもの買わないかな、とか、知らない人に着いて行かないかな、とソワソワしながら後を追う。追跡って、ちょっと楽しいかも。
     タイガくんは、道端で寝ている子猫に挨拶をしたり、手を上げて横断歩道を渡ったり、順調に進んでいく。目的のお店まで無事について、店員さんに目的の商品がどこにあるか聞いて、きちんとお会計して、お店を出た。
     そこかで手助けが必要かと思ったけど、どうやら俺の出番はないみたい。
    「思ってるよりも、タイガくんは成長しているんだなぁ……あっ!」
     家のすぐ手前というところで、タイガくんは漫画のように派手に転んだ。
    「……タイガく……ん」
     泣いちゃう! 助けなきゃ! そう思ってタイガくんに駆け寄ろうとした時、タイガくんがゆっくり立ち上がった。そして、きっとあちこち痛いだろうに声を上げて泣くことはなく、一歩ずつゆっくり歩き出した。瀬尾の背中は小さいけど、とっても大きい。
    「カッコいいじゃん、タイガくん」
     俺はその背中を見ながら、ゆっくり歩き出した。
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