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    どうしようもないものを投下

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    344日目 1393文字
    パンそばのタイカケ
    ※アフロが地毛のタイプのパンそばです

     今日はタイガくんと銭湯に行く。初めての銭湯だ。旅館やホテルの大浴場とは違う。緊張する。一緒にお風呂はあるけど、ホテルや自宅のもの。いつもと違う。
     テレビなんかで見るあのまんまなんだろうか? 番台があって、壁に富士山が描いてあって……カポーンって音がして、「ねぇ! シャンプー貸して!」「はーい! いくよー!」ポイっ! って。
     まぁ僕らは並んで入るから、定番? のやり取りはできないけど、楽しみなことには変わりない。でも、ちゃんとジャンプー、コンディショナー、トリートメント、洗顔フォームにボディーソープ、化粧水などのスキンケア、ヘアケア用品、ドライヤーも持ってきた。これじゃないと、僕のこのもじゃもじゃは綺麗に保持できない。うん、ばっちり。タオルもフワフワだ。着替えも勿論忘れてない。おしゃれもしてきた。すぐ裸になっちゃうけど、一応これはデートだもんね。あと、いい話題になるかと思って赤い手拭いも。ただし石鹸はない。結構な荷物になっちゃったな。
    「悪い、待たせた」
    「タイガくん!」
     待ち合わせ場所に現れたタイガくんは、やけに軽装だ。荷物は? あ、もしかして、マイロッカー? タオルくらいしか持っているように見えない。
    「おめぇすごい荷物だな。どこ行くんだよ?」
    「えぇ? そう? タイガくんこそお荷物少なくない? 何持ってるの?」
    「タオルと石鹸とゴシゴシするやつ」
     何を当たり前のことを聞いてるんだ? とでも言いたげな顔をするタイガくん。僕は続ける。
    「それから?」
    「それから、って?」
    「え?」
    「は?」
    「だから、シャンプーや、リンスは? もしかしてマイロッカーにあるの?」
    「そんなもんねぇよ」
    「え!?」
     まさか、本当にそれだけ? 石鹸だけって……髪は?
     僕が目をぱちぱちさせていると、タイガくんは怪訝な顔をした。
    「なんだよ?」
    「だって、石鹸だけで、どうするの? 髪は?」
    「あ? んなもん、全身石鹸に決まってんだろ」
    「嘘でしょ!? あ、もしかしてボケ? 僕、ツッコミなんて出来ないよぅ」
    「ボケてねぇわ!」
     でもどうして? 荷物を減らすため? 確かに、タイガくんちのお風呂に石鹸が置いてあるのは知ってるけど、ちゃんとしたシャンプーやリンスもあるよね? 持ってこないの? いつもと違うもの使って平気なの? お風呂上りにゴワゴワにならないの? 様々な疑問が頭に浮かぶ。
    「荷物軽くしたかったの? 僕のシャンプーとか使う?」
    「いや、いい」
    「でもいつもはシャンプー使ってるでしょ?」
    「普段は石鹸」
    「え?!」
     また、驚きの声を上げる。だって、いつも一緒にお風呂に入る時はシャンプーしてリンスもするじゃない。ていうか、タイガくんちのお風呂にあるアレはなんなの? 使わないのに置いてるの?
    「タイガくんちのお風呂に、シャンプーあるよね?」
    「あぁ、あれ、おめぇ用。俺はおめぇみたいな髪型じゃねぇし、石鹸で十分なんだよ」
    「えぇ……って、ん? 僕用?」
     タイガくんは使わないのに、僕が来た時の為に、置いてるの……? 僕の為に、タイガくんが?
     そう思うと、嬉しくて仕方なくて、ドキドキしてきた。
    「なにモジモジしてんだよ。ほら、行くぞ」
    「あ、まって!」
     先に歩き出すタイガくんを、慌てて追いかける。
     後でタイガくんが使っている石鹸をリサーチしよう。そして、僕の部屋のお風呂にもそれを置いておこう。タイガくんの為に。
     あ、もしその石鹸で身体を洗って寝たら、タイガくんと一緒に寝てる気分になれるかな? なんてね。
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    TRAININGタイカケ。
    付き合っていくうちに、カケルくんに対してだけ策士になっていくのもいいな。
    このところ、結構冷え込む。青森に比べたら全然だけど、それなりに東京も寒くなるんだな、なんて思いながら窓から冬の空を見上げた。今にも降り出しそうだ。この気温だと、みぞれか……雪になってもおかしくない。
    「さみぃよなぁ」
     今朝、寒い寒いと言いながら出て行ったカズオのことを思い出す。寒いのならもっと厚着をしていけばいいのに、と思うけど、ファッションがどうのこうの言って寒そうな薄っぺらいコートで出て行った。そう言えば、傘、ちゃんと持っていったのか? まぁ、アイツのことだから準備してるだろうし、持ってなくても車移動出し大丈夫か……。でも……。
     俺はカズオに一言連絡を入れる。
    ―今日、帰りは?
     仕事中だろうから返事はすぐに来ないだろうと思っていたけど、案外すぐに来た。
    ―今日は久しぶりに電車で帰るよん! 雨降りそうだから急がなきゃ~
     めずらしい。この言いぶりだと、傘も持ってなさそうだ。
    ―何時ころ駅着く?
    ―あと十五分くらいかな。
    「よっし」
     俺は上着を羽織り、全然使ったことのないマフラーを掴んで玄関に向かった。自分の傘とカズオの傘を掴んで外に出ると、ぴゅうと冷たい風が頬を刺した。
    「寒 1064

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    TRAININGパンそばのタイカケ。
    そばくんに対して過保護なパンくんが見たいです。
    「ねぇね、タイガくん」
    「あ?」
    「これからコウジさんたちと飲みに行くんだけど、タイガくんも来る?」
    「あぁっ?!」
     飲んでいたジュースを噴き出しそうになった。なんで、カケルが、あの探偵と?
    「ふ、二人で、飲みに行くのか?」
     まさか、俺が油断している間にあの探偵がカケルを? 俺らのファンとか言ってたけど、まさか、まさか……。
    「ううん、助手のユウくんやコウジさんのお友達も一緒みたい。タイガくんもどうかなって思ったんだけど……。もしタイガくんにその気がないなら僕一人で」
    「俺も行く!」
     カケルの言葉に被せるように、俺は大きな声を上げた。自分の好きなヤツが、いくら二人きりじゃないとはいえ、俺のいないところで他の男と飲むなんて耐えられない。それに、カケルは酒に弱いんだ。酔ってふにゃふにゃになってるカケルはめちゃくちゃ可愛いし、何かされちまうかも知れない。俺は酒を飲んでも、絶対に少しだけにしておくぞ。ちゃんとして、カケルのことを守るんだ……!
    「えへへ。タイガくんがいるなら安心だなぁ。僕、お酒弱いし、コウジさんのお友達は……僕らも会ったことあるみたいだけど、緊張しちゃうだろうから」
     安 1434