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    plemoMIYA_wt

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    めちゃくちゃすれ違いまくりながら数年越しに結ばれる二犬のプロット
    (あらすじとかダイジェストみたいなやつです)

    ※何度目かの遠征で鳩原と再会、連れ戻したという世界線の話。
    ※二宮さんがちょっと情けない感じだし、犬飼くんがかなりネガティブです注意
    ※犬飼くんがモブ男と関係を持っている描写があります

    めちゃくちゃすれ違いまくりながら数年越しに結ばれる二犬のプロット鳩原失踪の頃に精神的不安定になっていた二宮さんを支え慰めているうちに体の関係までもつようになった犬飼くん。
    犬飼くんは二宮さんのこと好きだけど、こんな綺麗で高貴な存在の人が自分のことをそういう意味で好きになってくれるはずないと思ってて、それまで副官として、あるときは都合の良いセフレとして心身ともに二宮さんを支えることに無常の喜びを感じていた。
    一方、二宮さんは当然セフレとか思ってなくて、でも始まり方がアレなので明確に付き合ってるとも言い難い……。
    時折好意を伝えるものの口下手だし、犬飼くん自身も自分に好意が向くはずないと思い込んでるから上手く伝わらないままセフレのような関係がズルズルと続いていた……。
    ここまでが前提。

    二宮さん院2、犬飼くん大4ぐらいの年、ついに鳩原と再会し何やかんやあって無事連れ戻せました。これで二宮隊再始動かと思いきや結局復帰はせずに鳩原はボーダーをさっぱりやめることに(まぁまぁ円満に)。
    んで鳩原の件も一応片がついたし、上2人も卒業の年だし、二宮さんは前々から打診されてた幹部入りを受け入れ隊を解散することになった。
    辻ちゃんも犬飼くんもエース級の実力だし、後進育成を考えるとむしろ遅すぎたぐらいのタイミングなんだけど鳩原先輩の件があったしね、それも解決したし寂しいけどそれぞれ頑張ろうねって感じのムードなんだけど犬飼くんは胸中穏やかでない。なんせ当時の二宮さんの鳩原への執着を一番身近で見てきたので。副官として二宮さんを支えることを己の矜持としてきたので。
    鳩原ちゃんさえ連れ戻せたら、おれはもうお払い箱なのかな、なんて、二宮さんはそんな人じゃないって分かってるのに悪い想像までしてしまう。

    それである夜、二宮さんの部屋に呼び出されて、そうだおれにはまだこっちの役割があったんだ!ってウキウキで行って早速行為に及ぼうとするんだけど止められちゃう。
    二宮さんはこの機会にちゃんと、行為ありきの関係でなく、まっとうな関係を結びたくて、犬飼さえ良ければ恋人としてやり直したいと思って呼び出した。けど二宮さんが自分を好きになるはずないと思いこんでるのもあって上手く伝わらず、犬飼くんはセフレとしても役に立てないんだと思って、ヘラヘラ笑って取り繕いつつその日は帰宅する。

    その後は辻、氷見で組んで隊結成したり、二宮さんはフリーの戦闘員しつつ幹部の仕事したり修論書いたり。
    犬飼くんは卒論が忙しいとか何とかで必要最低限のシフトの時のみボーダーに顔を出すだけで、二宮さんも話したいのになかなか捕まえられず、もどかしい日々を送る。

    そして大学卒業を迎えた日、犬飼くんは誰にも何も告げずボーダーをやめた。
    全ての連絡先を絶って、まるで失踪するように。

    当然みんなビックリして、二宮さんに何か聞いてたか聞くんだけど何も答えられないし、答えられない自分に腹が立つし。
    慌てて犬飼の実家に行って犬飼母(面識あり)に会ったら就職先の東京の方に既に引っ越したと言われる。呆然としながら何とかお礼を言って犬飼家を後にする二宮さん。
    卒業を機に、ボーダーを辞めて別の進路へ進む。……よくよく考えてみれば、よくある話だった。ただ誰にも、…自分にも、何も教えてくれなかったというだけで。
    鳩原の時とは違い、誰に唆されたと疑う余地もなく、危険な異界の地へ旅立ったわけでもない。正式な手続きを踏んでボーダーを辞め、まっとうに就職しただけ。理由を問い質したり、ましてや連れ戻したりする資格も権利も自分にはなかった。
    きっと自分はまた、何かを間違えて、そして置いていかれたんだろう。
    あの時に慰めて支えてくれた、大事なあの子は自分の元から去ってしまった。

    犬飼のことを引きずったまま数年が経ち、幹部業も板についてきた二宮さん。
    酔い冷ましに一人夜の街を歩いてたらラブホの入り口で夢にまでみた金髪をみかける。知らない男に腰を抱かれている、どう見ても犬飼本人。
    思わず手を引いてしまう二宮さん。目を丸くして驚く犬飼くん。
    隣の男がぐだぐだ文句を言ってきて、この男が今の犬飼の恋人である可能性を逡巡するも、犬飼が文句をいう男に対してちらりと嫌悪感を見せたことに勇気をもらって、強引にホテル内に連れ去ってしまう。

    ホテルの室内でしばらく無言の2人。何から話せばいいか迷ってたら犬飼の方から「えっと…お久しぶりです、二宮さん」と声をかけてくれて、こういう時はいつもこいつに頼りきりだな…とちょっと自己嫌悪な二宮さん。
    犬飼は今は広告代理店に勤めていて、転勤でまた三門近くに来たらしい。
    何故黙ってボーダーをやめたかを聞くと、犬飼の言い分はこうだった。
    隊も解散して副官の役目も果たせない。セフレとして貴方に奉仕することも拒絶されて、もう貴方の役に立つ手段がないなら、せめて潔く消えてしまおうと思った。何も言わなかったのは、何か話せば捨てないでってみっともなく縋ってしまいそうだったから。
    目眩がしそうな二宮。自分の気持ちは何一つ伝わってなかった。おまえが好きなんだ、セフレだなんて思ってない、そばにいてほしいと伝える二宮。
    でも犬飼は鳩原への執着を思い返して、「おれが失踪したみたいにいなくなったから、そんな風に思っちゃうんですね。二宮さんは優しいから。そんなつもりなかったのに、ごめんなさい。でもおれは鳩原ちゃんと違って家族には住所も連絡先も伝えてるし、安全な日本に住んでるんだから心配することなんてないんですよ」と手を握りながら優しく伝える。
    「さっき潔く消える…なんて言ったけど、おれ全然潔くなんてなくて、せっかく貴方に使えるようにしてもらった体だから、定期メンテナンスのつもりで適当な男に抱かれてたんです。今日の男もその一人。貴方以外の男なんて好きじゃないから、病気さえもってなければ相手は誰だってよくて。貴方に抱いてもらえる機会なんて二度とないのに未練がましいなって思ってたんですけど……ね、せっかくだから、まだ使えるか、試していきませんか?そうすれば二宮さんも、元気になる……?」
    もう全然気持ち伝わってないんだけど、ここで拒絶すればまた変に誤解されて今度こそ二度と会えないかもと思って、抱いてしまう二宮さん。
    久しぶりに抱いた犬飼は本当に可愛くて、自分のことをまだ好きでいてくれてると分かって、たまらなくなって抱き潰してしまう。

    一夜を過ごしたあと、二度とこの手を離すものかと連絡先も住所も聞くし、とにかくそばにいてくれと2人の勤務先からちょうどいい場所にマンションを借りて無理やり同棲を取り付ける二宮さん(こういう行動力はすごい)。
    犬飼くんは、鳩原失踪事件のトラウマが再発したのかな…悪いことしたな…そのうち気が済めば落ち着くかな…と、そもそも二宮さんの要求には応えたいし、抱いてくれたってことはソッチ方面でまたお役に立てるってことかと同棲を承諾する。

    無理やり始まった2人の同棲生活は、やはりどこかちぐはぐで。
    犬飼は時々「もうそろそろ、おれがいなくても大丈夫ですか?」「結婚とか子供とか考えるなら、そろそろ本命の女性を見つけた方が…」とか言ってくるし。
    犬飼も仕事で忙しいはずなのに、家事とかセックスとかやたら張り切ってくるし。
    家政婦のつもりで呼んだわけじゃないのに、そんなことしなくていいって言ってまた誤解されたら…と思うと怖くて「無理するな」としか言えなかったり。

    自分は犬飼を好きで、犬飼も俺のことが好きで、一緒に住んでもいるのに全然心が通じ合わない。
    いつか自分の元を去ること前提で、一線引いた寂しそうな笑顔しか見せてくれない。
    黒い隊服を着ていたあの頃のような、無邪気で全幅の信頼を寄せたあの笑顔を、再会してから一度も見てない。

    そんな中、次の遠征の日程が決まる。数ヶ月とかそこそこの長期で二宮がリーダー。
    こんな状態で家を空けて、また犬飼がいなくならないか不安で仕方ないけど、待っていてくれと言い残して遠征に出発する二宮さん。

    そうはいっても仕事はきっちりこなし、機械トラブルとかで2週間ほど期間が延びたが無事帰還した面々。
    諸々の報告を超特急で終わらせ急いで帰宅した二宮さん。
    玄関に犬飼の靴もあるし人の気配もある。どうやらいなくなってはいないようだと息をつく。

    リビングには、洗いたてのシーツを抱きしめながらソファにもたれてうたた寝している犬飼が。
    隈がひどいし、少し痩せた気がする。心配をかけたのかもしれない。
    とにかくベッドに運ぼうと抱き上げようとしたら薄っすらと目を開けて「にのみやさん……?」と幼気に呟く犬飼。寝ぼけているようだった。

    「にのみやさん、あいにきてくれたんですか?うれしい……にのみやさん、だいすき……」

    そう寝ぼけて笑いかけた犬飼は、また見せてほしいと願ってやまなかった、あの頃の無邪気な、自分を信頼しきった笑顔だった。
    犬飼は、あの頃から何も変わっていなかった。
    自分がずっと、寂しい思いをさせていた。
    夢の中でしか、心を預けられない、信じさせてあげられない、自分が全部、悪かったんだ。
    そう思うと情けなくて、やっぱり好きだとたまらなくなって、犬飼を抱きしめながら泣いてしまう二宮。
    目が覚めてきた犬飼は「あれ?本物の二宮さん……?おかえりなさい…………えっ!?泣いてる!?なんで!?」と驚き慌てながら手で涙を拭おうとする。
    どこか痛いんですか、遠征で何かあったんですかと涙を拭ってくれる犬飼の手を握って、二宮はひたすら、好きだ、おまえが好きだ、信じてくれ、おまえじゃないとだめなんだ、お願いだからそばにいてくれ、いなくならないでくれ……と泣きながら訴える。
    二宮のこんな、鳩原の時もやつれはしてたけど、ここまで、正直みっともない姿を初めて目にした犬飼は、しばらく呆然としたあと、ぽつりと話しかける。

    「……二宮さん、おれのこと、好きなんですか?」
    「うん」
    「おれに、そばにいてほしいんですか」
    「いてほしい……」

    泣きながら、まるで子供のような受け答えをする二宮。あと1,2年で、三十路になろうという男だった。
    またしばらく考え込んだあと犬飼は、じゃあおれに、命令してください、と言った。
    きょとんとした二宮の顔は、やはりどこか子供のようだったが、すぐに切り替えて、鼻をすすりながら涙を適当に袖で拭い、目と鼻を赤くした真面目な顔で告げる。

    「一生、俺のそばにいろ」
    「犬飼了解」

    そう言って笑った犬飼は、最近ずっと見せていた寂しそうな笑顔とも、あの頃の無邪気な笑顔とも違っていたが、それでも悪い感じは受けなかったので、二宮は今度こそ離すまいと、強く強く犬飼を抱きしめたのだった。


    ◼️エピローグ

    あれから2人の生活はうまく回り始めた。
    犬飼は二宮隊の頃のようなやり取りや笑顔を見せるようになったし、家事とか、セックスも、お互いの体調とか仕事の状況などを鑑みながら片方に負担が寄らないように行って、支え合えるようになってきた。
    あの日見せた、初めて見た種類の笑顔は、どうやら二宮が彼に甘えるときによく発動するらしかった。
    ソファで寛いでいる犬飼の膝に頭をのせてみたりだとか、シャワーを浴びるのも面倒な時に「入ったら疲れもとれますよ」とシャツのボタンを外してくれているときなんかに、よくあの顔をする。しょうがないなぁと言わんばかりである。
    悪い気はしない、悪い気はしないが、このままでいいのだろうか……。心が通じ合わないと悩んでいたあの頃に比べると、ささやかな悩みではあるが。

    そんな日々の中、突然犬飼が「おれボーダー復帰することにします、戦闘員じゃなくて営業で、もう内定済です」と言い出した。
    どういうことか聞くと、先日唐沢さんから連絡があって「そろそろ復帰しない?」と打診を受けたそうだ。
    そもそも連絡先を交換してたことも聞いてなかったんだが。
    ボーダーを辞める日に、いつか何かの役に立つかもしれないからと交換させられたらしい。

    ここから唐沢さんと犬飼くんの会話回想。
    二宮くんとも関係修復できたみたいだし、そろそろ復帰しない?営業として、と言う唐沢。
    何のことでしょう?と微笑む犬飼。
    「住んでるんだよね、二宮くんと。最近二宮くん、目に見えて調子が良いから、ようやく君とうまくいったんだと思ったんだけど違ったかい?」
    誤魔化しても無駄だなと悟った犬飼は、あの日連絡先を交換してきたのは、こうなることを見越してたんですかと聞く。
    「こうなればいいなとは願っていたが、見越してはいない。俺は神様じゃないし未来予知の力もないからね。職業柄、いろんなところに種を蒔く癖があるんだ。1割も芽吹けば上等なんだけど、そのうちの一つが大輪を咲かせたから、是非手元にほしくなったのさ」
    この考えは君も理解できるはずだ。君が広告代理店を就職先に選んだのも、様々な企業と繋がりをもてるから。取引先とのちょっとした雑談、あるいは資料の一部、様々な要所でボーダーに好印象を抱かせる"種"を仕込ませてたんじゃないかい?ボーダーに好意的な企業を増やすことが、将来ボーダーの中枢を担うだろう二宮くんのためになると信じて……すまない、踏み込みすぎた。君の営業手腕は俺も買ってるんだ。正直、君が高校生の頃から目をつけていた……いや変な意味でなく。
    回想終わり。

    「……とまあごちゃごちゃ言ってましたが、俺がもってる色んな企業のコネと一緒にボーダーに転職、代わりに唐沢さんは遠征中の二宮さんの状況を、幹部権限で知れる範囲で俺にこっそり教える、そういう条件で取引しました」
    面食らう二宮に犬飼は続ける。
    二宮さんが遠征に行ってる間、……聞いてた予定を過ぎても、帰ってこない間、ずっと不安で。考えたくもないけど、もし貴方に何かあった時、ご両親ぐらいには何かしら伝えられるだろうけど、それだっていくらかボカした内容だろうし、ただの同居人で部外者のおれには何にも伝えられないんだろうなって。初めてボーダーやめたことを後悔しました。それでも貴方がいつ帰ってきてもいいように、暇さえあれば貴方の好きな料理を作って、部屋を綺麗にして、シーツも洗濯して……頭がおかしくなるかと思った。それならもう、いっそのこと出戻ろうかなって。ただの職員じゃ遠征の状況なんて大して知らされないだろうけど、まだ同期のやつらも残ってるし、それとなく聞くぐらいはできるだろうって。そしたら唐沢さんから取引を持ちかけられたんです。タイミングばっちりで怖すぎません?おれ、あの人苦手かも。

    「……直属の上司が苦手で大丈夫なのか」
    「一番に聞くのそこですか?」
    ほんと二宮さんって、とクスクス笑う犬飼。
    またあのしょうがないなぁの顔だ。最近多いな。
    そうかと思えば居住まいを正し、まっすぐこちらを見据えて言う。

    「もう貴方の副官じゃないですけど、これからも、おれは貴方を支えますから」
    よろしくお願いしますね、と笑って両の手を握る犬飼。
    二宮は、他人からはわかりにくい、けれど犬飼からはそれとわかる笑顔で「こちらこそ」と握り返した。終。


    実際犬飼くんがボーダー辞めるとしたら記憶処理されそうなんですが、ここは唐沢さんが将来の利益を期待して色々手を回したということで。
    ちなみに、やたら手を握る描写が出てくるので、タイトルをつけるなら「手」にちなんだ何かがいいだろうな、とぼんやり思いました。でも多分、描かないんだよな……。
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