お前の投げたこの花が(『P O O L』番外)「ところで」執務机に向かい、提出されたばかりの海外出張任務の報告書に目を落としながらリゾットは事務的に尋ねた。「結果は?」
「そこに報告済みだ」背後から覗き込める位置に立ちながら、それとは真逆を向きプロシュートは事務的に答えた。「ところで」
プロシュートは続けた。「オレのブレイクショットでポケットしたのは何番ボールだった?」
一度は素知らぬ顔でさらりと躱した意図を投縄で引き戻すような問いかけに、リゾットは訝しみを覚えつつも記憶を手繰った。
確か、手番を変わった自分が落とした的球は連番だった。そして最終的にテーブルに残ったのは2つ、7番と9番。つまり、
「そう、8番」
リゾットの脳裏に浮かんだその色球のイメージを覗き見たようなタイミングでプロシュートが後ろから言った。
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