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    うるし

    @oki_tukm

    思い付いた炭宇とか、彦天(すみてん?)とか。

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    うるし

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    すっっっっごく遅くなりましたがが【初キスをする炭宇】です!
    リクありがとうございました…!!!!!

    キモチノカタチ最近クラス内で良く聞く話題。それを耳にして炭治郎は少しだけ考えてみた。いつもは気にしていないのに、この日は考えてしまったのはある人物が原因だろう。
    (初めてのキス…か)
    自分に色恋沙汰はまだ分からない。分からないと思っていた。それが一変したのは昼休みの事。新作のパンを友人や先生に配り、最後の一つを持って炭治郎は美術室へ訪れた。職員室には居なかったからきっとここだろうと扉を開けて入るが姿がない。どこに行ったのかと奥の準備室も確認をしようと部屋の中へ入ると何かに躓いた。
    「うわぁ!」
    よろけた炭治郎はちょうど置いてあるソファーに倒れ込み怪我をする事はなかったが、何か柔らかい感触に気付く。
    「………重い」
    炭治郎は寝ていた宇髄の上に乗り上げ、胸元に顔と手がダイブしていた。
    「す、すみません!直ぐ退きます!」
    急いで立ち上がろうとして思わず胸を揉んでしまい、その感触に慌てて手を離す。
    「なんか用か?」
    それを気にも留めず宇髄は頭をぽりぽりと掻きながら起き上がる。炭治郎はどきどきと五月蝿いほどに鳴り止まない鼓動を落ち着かせようと深呼吸をした。
    「あの、新作のパンを配っていて、これ宇髄先生の分なんですが…職員室に居なかったのでこちらかな、と」
    「あー…わりぃな。今度出展する作品の〆切が近くて最近寝てないからここで仮眠してたンだよ。ありがとな竈門」
    伏し目がちに笑う宇髄の顔に炭治郎はドキリとする。先程の手の感触も忘れられず、脳内に警報が鳴っているような感覚に眩暈がしそうだ。
    「い、いえ!じゃあ俺はこれでっ!」
    慌てて部屋を出て行くと廊下で炭治郎はしゃがみこむ。どきどきと高鳴る鼓動。そして下半身の違和感に自分自身驚きが隠せない。
    落ち着け。と言い聞かせて何度か深呼吸をするとゆっくりと立ち上がり教室へと戻った。
    そして下校時刻。女子生徒の会話を耳にして考え事をしていると、何故か美術室の前まで来てしまう。
    何が自分を突き動かすのか。炭治郎はそろりと中へ入り宇髄の姿が見えないと、また眠っているのだろうかと準備室へと入って行く。案の定ソファーで寝ている宇髄を見つけて炭治郎は近づいた。
    「宇髄先生…起きて、ますか…?」
    反応はない。炭治郎はまじまじと宇髄の寝顔を眺めてもう一度声をかける。
    「(綺麗な顔…睫毛長いなぁ…)先生…起きないと、キス…しちゃいますよ…」
    思わず言ってしまった言葉に自分で耳を疑った。しかしドキドキと胸を高鳴らせて炭治郎は宇髄の顔へと近付く。
    あと少し。もう少しで唇が触れそうになった瞬間、宇髄と目があった。
    「…竈門」
    「ごごごめんなさい!」
    慌てて飛び退けた炭治郎はそのまま土下座をして宇髄に謝り、未遂なのにおでこを床に擦り付けて本当に申し訳ないと言う。
    「さすがに同意が無い相手に勝手にするのは良くないと思うが…。まぁ、その、なんだ。してないからそんな謝んな。あとあれだろ、好奇心…だよな?」
    「好奇心…はあると思います。でも、宇髄先生だから。宇髄先生が好きなので、したい。と思いました」
    「…は?…いつから?そんな素振り今まで無かっただろ!」
    急な告白に珍しく動揺する宇髄。匂いで気付いた炭治郎は顔を上げると分かり難いがうっすらと耳が赤くなっているように思える。
    「えと。元々宇髄先生の事は好きだったんですけど。その、憧れとかの意味でだと思っていて…でも今日その好きと言う気持ちが恋愛感情だと気付きました…」
    「え、なに、今日好きになりましたー。でお前は寝込み襲ってきたのか?!」
    「襲っ…?!……あ、いや、そうですね…その通りです…。宇髄先生の気持ちも考えずにすみません。男の俺にされても気持ち悪いだけですよね…」
    完全に嫌われた。炭治郎はそう考えて俯き涙が出そうなのを我慢している。正座した膝に作る拳に力が入った。
    「竈門。顔上げろ」
    「…?はい…」
    怒っているのだろうか。宇髄の感情が匂いで読み取れず言われるがまま炭治郎が顔を上げると、宇髄が炭治郎のネクタイを掴み顔を引き寄せた。
    ちゅう、と唇が重なり瞳を閉じた綺麗な宇髄の顔が目の前にある。炭治郎は驚いて目を見開いたまま固まり時が止まっている気がした。数分。いや数秒だろう。柔らかい唇の感触。それが無くなり呆然と離れていく宇髄を炭治郎は見つめた。その表情からも感情は読み取れない。
    「……だ」
    「…だ?」
    「好きになったのは俺のが先だ!ばーか!」
    大人気なく言い放つ宇髄の告白。その言葉を理解するのに時間がかかった炭治郎は少ししてから理解をし、首から頭の先まで真っ赤になった。
    「ほ…ほんとですか?!宇髄先生!いつから?!」
    「言う訳ねェだろーが!だぁ!もう黙れ!もっかい口塞いでやろうか…!」
    「お願いします!」
    売り言葉に買い言葉。二人揃って肌を赤く染めて言い合うと、もう一度だけ唇が触れる。
    良く聞く〝良い雰囲気〟では無かったが、炭治郎にとって初めてのキスはほんのり甘いミルクの味がした。
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