和歌が死んだ。ただそれだけの日だった。――本当はもっといろいろあったのだけれど。
和歌が体育の授業で派手に転んで保健室送りになったり、小テストで相変わらずの赤点だったり、お弁当の唐揚げとブロッコリーを交換しようって提案してきて、私が「そのふたつは釣り合わない!」って抗議したり。和歌といると、毎日が非日常だけれど、いつだって和歌が笑っていることは変わらない日常だ。真っ白な歯を大っぴらにしながら、ちょっと変な笑い方をする。そんな和歌に対して、友達以上の気持ちがあったことは、私だけの秘密なのだ。
そう、それが私たちの日々。
つまらないことも多いけれど、毎日何かしらで笑って、二人で話して、また笑ってってする、そんな一日一日がたまらなく私は好きだった。中学のとき勉強ばっかりだった私はただ呆然と、これが青春なんだって思った。