3人目の救い主凪雲 幽季(ナグモ ユキ)
種族:人間(救い主)
性別:男 享年:21
【絶望の眼湛えた「救い主」】
「うーん僕が呼ばれたのはなんでなんだろうなぁ。あ、いや、呼ばれたからにもちゃんと頑張るけどさ」
イヅナによって幻妖界に召喚された人間の男
滝夜叉姫から話を聞き、「救い主」として幻妖界を救うことを決めた
普段から非常に自信のない卑屈な性分をしており、
自分に救い主が務まるかどうかすらもかなり不安がっているようだ
【キホン見聞】
身長:177.2cm
体重:59.7kg
誕生日:1月29日
【好きな食べ物】
金平糖
幻妖界に来てから、偶然子泣き爺に分けてもらったものを食べてハマった
色付き・通常のやつも好きだが、
時折果物の風味の金平糖が出回っているのを見てはよく買っている
【生い立ち】
一般家庭の出身
幼少期からボードゲーム等が好きだったが、周囲の人間、そして家族も例に漏れずにその趣味を悉く否定してきた
そのうちその趣味の否定は、それを愛している幽季自身の否定の言葉へと変わっていき、
幽季は己の趣味に自信が持てなくなってしまった
【過ぎ越し方】
ボードゲームは案外頭を使う遊びだ
誰にもそれを理解されず避けられようともなお、ひとりでそれを黙々と続けていた幽季は、
かなり頭の回転や知識の吸収が良くなっていた
勿論勉強もしっかりとこなすことができ、テスト等では常に学年上位だった
……しかし人に嫌われている者ほど、その努力は理不尽な理由で折られるものだった
【過ぎ越し方】
ある日のことだった
幽季は、その努力とそれによる実力を買われて、ある大学が主催する研究発表会にて発表をすることになった
発表こそ大成功、見事優秀賞を取って表彰までされた
…….しかし、彼のそんな功績を讃えるものより、気に食わなかった者のほうが遥かに多かった
その事実が知れ渡った翌日、幽季はとうとう避けられるだけでなく、暴力や私物の破壊などの目に見える実害の発生するいじめを受け始めた
勿論、彼は先生や親にも相談したが、
先生に関しては「君を守る人間よりも君を蔑む生徒の方が遥かに多いから無理だ」と匙を投げられ、
親に関しては「そんな他人に気味悪がられる趣味を持ったお前が悪い」と全て自分のせいにされた
自分が努力しなければ、努力が「自分だから」という理由で理不尽に否定されて傷つくことなんてなかった
自分があんな趣味持たなければ、そもそも誰からも否定されなかった
そんな考えが、幽季の頭を支配したのだった
【幽季ノ最期】
その後、どうにかそんな自分の心を騙して押さえつけ、大学まではどうにか進学できた
「生きなきゃ」「そのためには努力しなきゃ」と言い聞かせながら
しかしそれにもとうとう限界が来てしまった
ある日、そうして自分に言い聞かせていると、一つの考えが浮かんだ
「なんのために?」
「誰からも認めてもらえず、成果が出たとしても結局は僕の努力だからって成果も過程も何もかも否定されるのに、なんで頑張らないといけないんだ?」
「こんなに傷ついてまで、なんで頑張って生き続けなきゃいけないんだ?」
彼は、過去のトラウマが原因でついに瓦解し切ってしまったのだ
そのあとは、彼自身もよく覚えていない
強いて言うなら、何かのクラクションと人の悲鳴、自分の身体にかなりの質量の何かが叩きつけられる感覚だけしか覚えていない
……それだけでも、幽季自身は自分が何をしたかわかってしまっているようだが。
(電車のホームに飛び降りました)
【ナイメン】
非常に卑屈かつ無気力で、自分に自信がない(特に趣味)
彼は生前のトラウマから、努力したり生きたりすることに対する意欲が完全に消え失せており、それを強制しようとする言葉が嫌い
誰だって、生きたいと思って生きてられるわけじゃない
誰だって、未来にほんのわずかでも希望を持って進めるわけじゃない
だから、やめて、もう、僕に生きることを強制しないで、お願い
【外面】
「救い主」らしく、みんなを導ける存在でなければならないとして、
内面に比べて明るいキャラを演じている
しかし元が元な分あまり上手くはなく、
時々その元のあまりに暗い性分が主に瞳の色から滲んでしまうことがしばしば
【関係のあるキャラ】
銀狐
彼は、幽季の目を見て思った
あれは千年前の大戦の時、心を折られてしまった天狐の絶望の目に似ている「何か」があると
それを感じ取った瞬間、
普段被虐趣味で天狐からの冷たい目線に興奮できる銀狐も、流石にあれはよくないと思ったようだ
そのため今は、妖狐ノ國のために前へと進み始めることができた天狐を支えるのは勿論、
遠き日の天狐のような絶望の眼を携えた彼のこともどうにかして支え、救ってやりたいと思っているようだ
【苦手なもの】
なます
酢の物は嫌いじゃないが、どうにも紅白なますだけは無理
わかめやきゅうりを使ったものであれば大丈夫
【幽季との関係について、特筆すべき救い主】
悠
ある日の夢の中で出会った、和服姿の少年
自身と同じで、「未来を捨てた」救い主だった
そんな悠との出会いを通して、未来を捨ててなお救い主としてやっていっているのは自分だけではないと知り、
幽季は自分も、少しだけ頑張ってみようかと思い始めている
そして、叶うことならまた彼と会って、今度は彼の好きな味の金平糖でも一緒に食べながら話したいな、とも