Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    桃原🍑

    @momohara2022

    天官賜福/TGCF/花怜🦋🌸
    とりあえず書いたもの置いとく場所

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🍁 🌸 🎲 💗
    POIPOI 89

    桃原🍑

    ☆quiet follow

    うとうと二度寝殿下🦋🌸
    殿下と花城が人一人分くらい間あけて寝てて、目が覚めた殿下が「おはよう哥哥」って微笑む花城の腕の中にもぞもぞもぐりこむのいいなっていう妄想。

    花城はこのあと、真意を確かめるべきか、たぶん言い間違いか聞き間違いだろうからスルーするべきか、小一時間悩んでぐるぐるすると思う。

    紗幕からさしこむやわらかい光がまぶたをなでる。
    まどろみの中をただよっていた謝憐の意識は、ゆっくりと浮上した。
    敷布の肌ざわりに誘われて足を動かすと、いつもより少し身体がだるいことに気づく。

    (ああ、昨日は……)

    その倦怠感がとろけるまで愛し愛された名残りだと、今の謝憐は知っている。
    昨晩は、謝憐に負担をかけまいとする花城にしがみつき、あられもない姿のまま何度もねだった。
    思い返すと身の内に残る熱にまた火が灯りそうになる。
    謝憐はぼんやりと目を開き、何度かまばたきをしてから、足りないものを探すようにぐるりと頭を巡らせた。

    「おはよう、哥哥」

    探しものは、謝憐のすぐとなりで肘枕をしながら、おだやかな目でこちらを見つめていた。
    艶のある黒い髪に、雪のような肌。
    星のようにきらめく瞳と、右眼を隠す眼帯。
    いつもの、だけどいつ見ても特別な、愛しい姿がそこにある。
    二人の間にあいた数尺ほどの隙間すら厭わしく、謝憐は寝返りをうって身体を寄せた。

    「おはよう……三郎……」

    身をよじるようにして花城の腕の中にもぐりこむと、背中に回された手がぎゅっと謝憐を引き寄せてくれる。
    二人の間の隙間がなくなったことに少しだけほっとして、謝憐は花城のはだけた胸に額をこすりつけた。

    「昨晩の哥哥はとてもかわいらしかった」
    「ん……」
    「身体は平気? つらくない?」
    「うん……」

    何か言葉を返そうと思っているのに、花城の匂いにつつまれながらやさしく髪をなでられると、もうそれだけで眠りに落ちそうになる。
    謝憐がうとうとしていることを察したのか、くぐもった笑い声が頭の上のほうから聞こえた。

    「哥哥、もう少し寝てていいよ」
    「うん。……三郎、あのね」
    「はい」
    「昨日は……たくさんしてくれて……嬉しかった」

    花城が驚いた気配がした。
    謝憐の髪をなでていた手が止まる。

    「今日も……したい……な」

    ――今日も一日、一緒にすごしたい。いいかな。

    そう言ったつもりだったが、ちゃんと言葉にできていただろうか。
    でもきっと伝わっているだろう。
    だってほら、返事をくれるみたいに、腕に力がこめられた。
    たぶん大丈夫だ。

    髪にふれる花城の唇の感触に、うっとりと目を閉じる。
    世界で一番安らげる場所に身をゆだねて、謝憐は再びまどろみの中に落ちていった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺💖💖💖💖💖☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works